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妹ぱらだいす!2 と、都条例の新基準について

■図書の取り扱いについての注意

18歳未満の方へ

ここで取り上げている漫画作品「妹ぱらだいす!2 ~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~」は、
東京都青少年健全育成審議会によって「指定図書」となりました。
指定図書となった作品は、その扱いに著しい制限が加えられ、
都内の販売者は、販売、包装、陳列に違反した場合、重い罰則を受けることになります。
18歳未満の方は購入されないように、また、包装を破いたり、陳列されている場所から移動させないように気をつけてください。

(警告)
第18条 前条第1項の知事が指定した知事部局の職員は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、警告を発することができる。
一 第9条第1項の規定に違反して青少年に指定図書類を販売し、頒布し、又は貸し付けた者
二 第9条第2項の規定に違反して同項の規定による包装を行わなかつた者
三 第9条第3項の規定に違反して同項の規定による陳列を行わなかつた者


(罰則)
第25条 第18条第1項各号、同条第2項第1号から第3号まで若しくは第5号から第9号まで又は同条第3項の規定による警告 (同条第2項第4号に係る場合を除く。)に従わず、なお、第9条第1項、第2項若しくは第3項、第10条第1項、第11条、第13条第1項 (特定がん具類に関して適用される場合に限る。)、第13条の4第1項若しくは第2項、第13条の5、第15条第1項若しくは第2項又は第15条の3の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。

1 東京都青少年の健全な育成に関する条例(PDF)より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html



■新しく設けられた規則で初の指定

第647回東京都青少年健全育成審議会の答申
TECHGIAN STYLE
妹ぱらだいす!2 ~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2014/05/40o5d100.htm

5月12日に指定された「 妹ぱらだいす!2 ~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~」は、
平成22年12月22日に改正されました東京都青少年の健全な育成に関する条例に新しく設けられた指定図書の基準、
「刑罰法に触れる性行為(強姦など)」、「近親者間における性行為」を、
「不当に賛美、誇張」して描き、
「青少年の健全な成長を阻害する」
に該当するとされました。

(不健全な図書類等の指定)
第8条、第1項、第2号
二 販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、第7条第2号に該当するもののうち、強姦等の著しく社会規範に反する性交又は性交類似行為を、著しく不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく妨げるものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの

(図書類等の販売等及び興行の自主規制)
第7条 第2号
二 漫画、アニメーションその他の画像 (実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの

1 東京都青少年の健全な育成に関する条例(PDF)より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html


(指定図書類、指定映画等の基準) 第15条 第2項
  条例第8条第1項第2号の東京都規則で定める基準は、次の各号のいずれかに該当するものであることとする。
二 近親者間 (民法 (明治29年法律第89号)第734条から第736条までの規定により、婚姻をすることができない者の間をいう。)における性交等を、当該性交等が社会的に是認されているものであるかのように描写し若しくは表現し、又は当該性交等の場面を、みだりに、著しく詳細に若しくは過度に反復して描写し若しくは表現することにより、閲覧し、又は観覧する青少年の当該性交等に対する抵抗感を著しく減ずるものであること。


2 東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則(PDF)より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html


今回の指定による今後の動向を考えると供に、
新基準独自の手続き、これまでの新基準の扱われ方、そして審議会の問題点を見て行きたいと思います。



■新基準を適用するまでの手続き

旧基準による指定図書は、毎月2、3冊選ばれていますが、
新基準による指定には、旧基準にない手続きが必要となっています。
1つ目は、審議会の委員が、議会前日にその図書を閲覧する(こともできる)というもの
2つ目は、専門委員が図書の調査をするというもの

東京都青少年健全育成審議会運営要領(案)
3 審議の方法
(1) 図書類について
図書類については、委員が審議会において当該図書類を閲覧又は観覧し、審議する。ただし、 審議会において閲覧又は観覧することが困難なものについては、 委員が審議会開催日前に当該図書類を閲覧又は観覧し、審議会において審議する。
なお、条例第8条第1項第2号(以下「新基準」という。)該当に関し諮問される図書類について、希望する委員は、上記に加え、審議会当日の午前または審議会開催日前に当該図書類を閲覧又は観覧することができる。新基準諮問図書類の閲覧又は観覧、 審議に当たっては、 諮問図書類ごとに新基準に関連する設定や描写のあるページ等について整理した資料を事務局において作成し、 配付する。

4 専門委員
審議会の委員は、知事が、条例第20条第2項に規定する専門委員を設置すること及び調査事項等を決定することについて、意見を述べることができる。
なお、新基準諮問図書類の審議に当たっては、別紙 「審議会に条例第8条第1項第2号に関する専門委員を置くことについて」により、審議会に専門委員が出席し、調査結果を報告するものとする。




(組織)
第20条
2 専門の事項を調査するため必要があるときは、審議会に専門委員を置くことができる。

1 東京都青少年の健全な育成に関する条例(PDF)より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html


上記にある様に、今回の「妹ぱらだいす!2」は、議会前に閲覧できる状態になっていたのでしょうか?
また、20名の議員は議会前に閲覧したのでしょうか?
そして、専門委員はどの様な調査報告をしたのでしょうか?
20名の議員はその報告をどう受け止め、指定図書としたのでしょうか?

このことに関しては、628回の審議会で興味深い意見が出されています。
長くなりますが、下に抜粋します。

〇■■委員 審議の方法のところなんですけれども、この 「なお」の部分、追加のところですが、まず一つ目が、「希望する委員は、上記に加え審議会当日の午前又は審議会開催日前に当該図書類閲覧又は観覧することができる」とい う規定が載ってますが、これをするためには、当然やっていただけるのはわかってるんですが、事務局から事前に 「新基準の該当図書がありますよ」とい う情報が入 らないと、希望がとれないわけですね。前期の中でいきますと、新基準該当箇所と思われるものがあるんだけれども、「とりあえず、今回の諮問は旧基準でいきます」みたいなものがあって、その場合は、これは新基準に該当する箇所ではあるんだけれどという説明なだけで、旧基準でいくということで事務局側が判断している場合は、そういった情報は、事前には来ないことになると思うんですけれども、できれば、それ自体も判断するのが審議会じゃないかなと思うんですね。それがどちらの基準でいくかということも含めてですけども。なので、その情報もいただけるような文言が入れられれば、ありがたいとい うのが一つ。
それから 2 つ目が、その次ですが、「新基準諮問図書類の閲覧又は観覧、審議に当たっては、諮問図書類ごとに新基準に関連する設定・描写のあるページ等について整理した資料を」と。多分これは、作品から抽出するようなかたちになると思 うんですが、実際には専門委員を置いて、調査結果を報告すると。この都議会の付帯決議の意味というのは、要するに 「ストーリーや設定というのを深く吟味しなさいよ」という意味なので、該当箇所だけを抽出するというのは、絵面さえ見ればいいという話ではないと思うので、そういったことをまとめる必要があるかどうか判断するのは専門委員であって、その専門委員の調査報告書に資料として添付されるならともかく、事務局側がこれを作成して配付しますよということを、要領の中に入れるというのは、ちょっと行き過ぎになる可能性があるんじゃないかと思うんですけれども、できれば、ほかの委員の方の意見を伺った上で、ここの文章については、私は、事務局がやらなくていいんじゃないかなと。やるなら、専門委員のほうにやってもらえばいいんじゃないのかな、と思 うんですけれども、いかがでしょうか。
〇会長 ありがとうございます。これにつきまして、何か事務局からありますか。
〇青少年課長 まず最初のお話ですけれども、この審議会に先立ちまして、前の週の水曜日に業界の方々に集まっていただきまして、いわゆる自主規制会議、打合せ会というのを設けております。それを踏まえまして、水曜日の次の木曜日に、東京都として諮問する、しない、諮問する場合は、どういう指定基準で諮問するか、ということを決定いたします。その決定した後で、この審議会への諮問というかたちになりますので、その段階では皆様方にお知らせすることは可能なんですけども、その段階でいわゆる新基準がないといった場合については、今までは特段連絡はしておりませんでした。これからもし、新基準該当ということで諮問するという決定があれば、できれば木曜日の遅い時間あるいは金曜日の早い時間にご連絡をいたしまして、金曜日もしくは次の週の月曜日の午前中にも閲覧していただけるようにしていきたいと思っておりますけども、今、■■委員がおっしゃったように、決定した後で基準についてどうこうするという部分は、あくまでどの基準に該当するかというのは、都側の諮問でございますので、すでに決定しているということが前提でございますので、この審議会でどの基準に該当するかということの議論の対象になるのは、ちょっとふさわしくないのではないか、というふうに思っております。
〇■■委員 理解できました。
〇青少年課長 もう一点の部分でございますが、今回、追加 した部分につきましては、前期の審議会の議事録を踏まえまして、こうい うかたちで了承していただいたことを、文言として入れたとい うことでございまして、ほぼそのとおりの内容 となっております。ですので、ここについては、前回の議論の上で、皆様、ご了解いただいたもの、とい うかたちで入れてございます。したがいまして、整理した資料につきましては、これは運用の仕方でいくらでもできるかとは思いますので、ただ一方で、前期の中で、事務局のほうでこういった資料を作成し、配付するとい うことで、この審議会で了承いただいておりますので、要領の中に明文として入れたとい うことでございますので、ご理解いただければと思います。
〇会長 その辺、いかがですか。
〇■■委員 要するに、13 ページの (3)の話が反映されてます、とい うことですよね。「前期の審議会で承認されているので、お願いします」と言われると、何も言えなくなるんですけれども。ただ、私としては、この付帯決議の意味を考えると、あまり事務局側が抽出するとか、とい う作業をやらないほうが、結果的には誤解は招かれづらいよ、とい う思いがあるということだけ、意見として言っておきます。であれば、前回のほうで承認された事項だというんだったら、それはそれで受けますけれども。
〇会長 この件に関しては、ほかの委員の方、ご意見等ございましたら、どうぞ。
〇■■委員 たしかにこの中身は、いきなり 「これが新基準だよ」と言われても、よくわからないので、「事務局で資料をつくってください」とい うことだったと思 うんですけれども。当然、専門委員がそこに関わってきますよね。
〇青少年課長 もちろん、専門委員は専門委員で、特に作品の芸術性、社会性 といったものの観点から調査いたします。一方で事務局としても、例えば 「この描写については、何 とか法の何 とかに抵触している」とか、「していない」とか、「ここがこの条例のここに該当している」とい うかたち、とい うことの整理したものを、ある意味、事務的に資料を作成するといったものでございまして、それをどういったかたちで参考とするかは、委員の皆様方のご判断だとい うふ うに思っております。
〇■■委員 これは、運用状況を見定めながら、また再検討するとい うことで、実際出てきてから、また、や りながら考えるとい うことでいいんですよね。
〇青少年課長 それはそうい うかたちで、ご議論いただいております。
〇■■委員 まだ出てきてないので。
〇会長 実際に新基準の該当がありませんので、それがあったときに、また審議をしながらご意見あれば、そのように方向性をまとめていきたいと思います。よろしゅうございましょうか。




取り上げられた問題を要約しますと、
「審査する図書が、新基準で諮問するのか、旧基準で諮問するのかを都側(事務局)で決めてしまうこと」
「新基準の該当箇所に関する資料を専門委員ではなく、都側(事務局)が作ってしまうこと」です。
改めて読んでみて、この問題に対する青少年課長の返答はまったく納得の行くものではありません。
私はこの2つの問題に対して、都側が行っているのは、事務の範囲を超えていると思っています。
はっきりと申せば、これこそが表現の自由の侵害に他なりません。
指定図書の決定も、新、旧基準の選択も、都知事が任命した20人の審議委員が行わなければなりません。
ぜひ再検討を願いたいと思います。


8 事務
審議会の庶務は、青少年 治安対策本部総合対策部青少年課において行う。




■近親者間における性行為を描いた作品の、審議会での扱われ方

今回指定図書となった「妹ぱらだいす!2」以外にも、
これまで審議会内や、その近辺で取り扱われたことがあります。
振り返ってみましょう。

タイトル:あきそら
作者  :糸杉柾宏
出版社 :秋田書店

http://ja.wikipedia.org/wiki/あきそら


この作品が話題に上がったのは、条例が改正する前の、2011年(平成23年)4月14日、
出版倫理協議会・出版倫理懇親会との会合でのことでした。
注意しなければならないのは、この作品が新基準に当てはまると言っているのは、
出席した「青少年課長」であるということです。
つまり、この作品を審議会に出しますよ(諮問図書にしますよ)と言っているだけで、
実際に審議会で指定図書になるかはわからないということです。
しかし、秋田書店はあきそらの重版をやめてしまいました。
これは諮問図書となった作品は、ほぼ100%指定図書となっている現実を見ての判断であると考えられます。

余談ですが、同時期に「指定図書となっても成年マークを付ければ問題ない」という意見が見られましたが、
これは正確ではなく、指定図書は、成年マークをつけても表示図書にはなりません。
表示図書とは成年マークを付けた図書のことを指し、
指定図書が罰則規定があるのに対して、表示図書には努力義務しかありません。
ならば指定されたら成年マークを付けて表示図書にし、努力義務に変えてしまえば良いと思われるのですが、
条例を読むと、この方法では覆らないことがわかります。


(表示図書類の販売等の制限)
第9条の2 第2項
 図書類販売業者等は、前項に定める表示をした図書類 (指定図書類を除く。以下 「表示図書類」という。)を青少年に販売し、頒布し、又は貸し付けないように努めなければならない。


1 東京都青少年の健全な育成に関する条例(PDF)より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html


タイトル:ヨスガノソラ(アニメーションDVD)
販売元 :キングレコード


この作品はテレビアニメとして放送されたもののDVDソフトとして販売されたもので、
「妹ぱらだいす!2」と同じく、アダルトゲーム
(18歳未満販売禁止のパソコン用ゲームソフト 審査:コンピュータソフトウェア倫理機構)を原作としており、
一般販売しています。
DVDも審議会の対象となっており、最近でもDVDを付録としている雑誌が指定図書となっているケースも珍しくありません。
この作品は、通常行われる、都の職員が販売店で選んで購入してきたものではなく、
都民からの申し出により審議会で言及されたものです。

〇青少年課長 それでは資料の 20 ページをご覧ください。4 月処理分の都民の申出でございます。
まず 1 番。メールによる申出が 1 件ございました。内容は 「性的な描写のあるテレビアニメについて」で、兄と妹の近親相姦シーンを含む 5 作品につきまして、都民から指摘がありました。1 作品は DVD になっているものを購入して確認を行いました。他の 4 作品につい てはインターネットの動画で確認いたしました。このうち 「ヨスガノソラ」とい うアニメが兄と妹の近親相姦を描いております。ただ、社会的に是認されているかのように描いたり、あるいは必要以上に反復して詳細に描いているというものではありませんので、新基準等には該当しておりませんでした。その他のアニメ 4 作品につきましては、いわゆる旧基準の対象 となりますが、いずれも該当するものではありませんでした。





上記の通り、この作品は審議会で審議すらされず、都側が一方的に指定されないと決めてしまいました。
審議会で図書が審議されるまでには、幾つかのプロセスがあります。
まず「図書の購入」で月に100冊以上、
次に「諮問図書の選別」で月に2、3冊程、
そして「審議会での審査」ときて「諮問図書の決定」となります。
ここで問題であるのが、「図書の購入」と「諮問図書の選別」という初期段階の手続きが、
事務手続きとして都の職員によって行われ、その基準や購入された図書が明示されていないということです。
これも事務の範疇を超えており、私は、この段階から審議会の委員が関わりを持つべきであると思っています。

「妹ぱらだいす!2」が、今回新基準で初の指定図書となったと取り上げられていますが、
それはつまり、「これまで、都が新基準で審査させなかっただけである」と言えるでしょう。
「ヨスガノソラ」は審議されず、「妹ぱらだいす!2」が審議された理由は何なのか、明言すべきでしょう。



タイトル:アネLOVER
     イモウトLOVER
作者  :椿 十四郎
出版社 :ジーウォーク

http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_622_menu.html#627


この作品は627回の審議会で指定図書として決定が下されています。
しかし、内容は近親者間の性行為であるのにもかかわらず、ここで審議されたのは旧基準でのみです。
これは、上記「新基準を適用するまでの手続き」に示したとおり、
「審査する図書が、新基準で諮問するのか、旧基準で諮問するのかを都側(事務局)で決めてしまう」からです。
これにより、この作品が新基準に当てはまったのか、そうでないのかがわからないまま、
議論されることすらなく指定図書となってしまいました。



■新基準に伴う問題と今後

以上から審議会の問題を纏めます。

1:都の職員が事務手続きとして諮問図書を選ぶ際に、旧基準か、新基準かを決めてしまうこと。
2:図書の購入、諮問図書の選別に、都の職員が第一番目に関わっており、その選別方法が不透明であること。
3:旧基準で諮問されたら、新基準の審議がされないこと。

他にも気になる点はありますが、これ以上は他の情報や議事録が公開を待ちたいと思います。

今回の「妹ぱらだいす!2」に限らず、審査された作品に目が行きがちですが、
それよりも問題であるのが、何故その作品が有害であるとされたのか、その理由が明確でない点です。
明確でないから出版社は指定図書のレッテルを貼られてしまいます。

出版社も、青少年の健全育成の為に動かなければならないでしょう。
しかし、そうでないのなら表現の自由と経済活動の自由は最大限に尊重されるべきです。
そのためにも、審議会には適切な情報公開を求めたいと思います。
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by k1kuraki | 2014-05-14 22:46 | 都条例

第645回 東京都青少年健全育成審議会 メモ

第 645 回
東京都 青少年健全 育成審議会
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_634_menu.html#645

■審議時間の短さ
午後 3 時 31 分開会
午後 4 時 16 分閉会


正味45分の審議である。
私の感覚であるが、漫画作品の指定図書を実際に、しっかりと読んでみると一冊一時間程度は掛かる。
今回諮問された3冊のうち2冊は漫画作品、1冊はムックである。
更にムックにはDVDが付属されており、収録時間は1時間である。
審議の時間45分を全て読書に当てたとした場合、1冊につき15分、
18人の委員が回し読みをするのならば、一人50秒しか読むことができない。
実際は読書以外の議事があるため、審議の半分の時間20分を読書に当てたとしたら、
一人20秒しか読むことができない。

これらを精読、鑑賞し、審査、議論するとなると、この時間内ではとても適わないであろうと予想できる。図書審査に掛かった時間を明記するべきである。
議会を短時間で終わらせなければならない理由があるのか?
審議時間の十分な確保を求める。


■都職員が選ぶ基準
こちらに記載した図書類は、平成 26 年 1 月 30 日から2 月 27 日までの間に、都内のコンビニ ・書店から購入 した 123 誌のうちから、10 ページ、11 ページに記載しております条例施行規則第 15 条の指定基準に基づきまして、指定図書類の候補 として選定したものでございます。


購入した基準は?その基準は購入した職員に一任されているのか?
選定した基準は?その基準は選定した職員に一任されているのか?


■自主規制団体の票数
まず、4 ページをご覧ください。1 番、『SP コミックス 世にもHな都市伝説①』につきましては 「指定やむなし」の意見が 9 名で、その主な内容は、「修整はされているが、性描写が多く擬音等気になる部分がある」などでございます。「指定非該当」の方は 6 名で、その主な意見は、「修整がかなり大きく白抜きで行われており、絵柄からも卑わいな感 じはしない」などでございます。

続いて、5 ページをご覧ください。2 番の 『ANGEL COMICS 隣の人妻 大家さん②』は、「指定やむなし」の意見が 5 名で、その主な意見は、「性器は白くぼかされているが白抜きは刺激的である。性交場面が多く、成人マークをつけてほしい」などでございます。「保留」の方は 1 名いらっしゃいました。「指定非該当」の方は 8 名で、その主な意見は、「性交描写は多いもののきちんと修整されており、指定するほどではない」などでございます。なお、図書類の発行所が自社の関連会社であるとの理由で意見表明なしの方が 1 名いらっしゃいました。

続いて、6 ページをご覧ください。3 番、『いずみムック5 9 性愛の技法』は、「指定やむなし」の意見が 10 名で、その主な意見は、「本誌は修整が甘い部分がある。DVDも修整が甘い」などでございます。「保留」の方は 2 名いらっしゃいました。「指定非該当」の意見は 3 名で、その主な意見は、「本誌は、文字も多く価格も高く青少年が購入するとは思えない。DVD の性器の消しは甘いが、人格を否定するような内容ではなく、指定非該当」などでございます。


自主規制団体の聴取された意見を、なぜ「指定やむなし」「保留」「指定非該当」と分類するのか?
また、なぜその人数を明記するのか?
この自主規制団体の意見は飽くまで審議会内で「議論」を行うための参考意見であり、
「指定するかしないか」を決めるための免罪符では全くない。
自主規制団体のメンバーの人数はバラバラであり、その意見の数には何の正当性も無い。

< 自主規制団体メンバー :平成25年4月1日現在>
◇(一社)日本書籍出版協会2名 ◇首都圏新聞即売懇談会1名
◇(一社)日本雑誌協会6名 ◇東京都古書籍商業協同組合1名
◇(一社)日本出版取次協会3名 ◇東京都書店商業組合3名
◇(一社)日本フランチャイズチェーン協会1名 ◇出版倫理懇話会1名
計18名

「不健全図書類の指定について」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/10_eiga_tosyo_ichiran.html


■審議
○会長 よろしいでしょうか。
それでは、各委員からご意見をいただきたいと思います。
■■委員からお願いいたします。

○■■委員 3 誌とも指定やむなしと考えます。『性愛の技法』のところの聴き取り内容の下から3 番 目のところ、6 ページでございますが、「DVD の性器の消しは甘いが、人格を否定するような内容ではない」とありますが、人格を否定するしないは、この審議会の要綱ではないので、事前の聴き取り調査をした方に、そうい うことが審査の基準じゃないということを、話してほしいと思います。
以上です。


第3章 不健全な図書類等の販売等の規制
(指定図書類、指定映画等の基準)
第15条 条例第8条第1項第1号の東京都規則で定める基準は、次の各号に掲げる種別に応じ、当該
各号に定めるものとする。
一 著しく性的感情を刺激するもの 次のいずれかに該当するものであること。
イ 全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写することにより、卑わいな感じを与え、
又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。
ロ 性的行為を露骨に描写し、又は表現することにより、卑わいな感じを与え、又は人格を否定す
る性的行為を容易に連想させるものであること。
ハ 電磁的記録媒体に記録されたプログラムを電子計算機等を用いて実行することにより、 人に卑
わいな行為を擬似的に体験させるものであること。
ニ イからハまでに掲げるもののほか、その描写又は表現がこれらの基準に該当するものと同程度
に卑わいな感じを与え、又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。

「2 東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則(PDF)」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html

上記のとおり、人格を否定する描写は、審査の基準に含まれる。
なぜ、この委員はこのような嘘をいうのか?
また、誰も注意しないのか?
基準について誰も知らないのか?


○■■委員 いずれも指定やむなし。
○■■委員 私も3 誌とも指定でお願いします。
○■■委員 私も同じく3 誌とも指定でお願いします。
○■■委員 3 誌指定でよろしいと思います。
○稲葉委員 3 誌指定でお願いします。
○鵜飼委員 3 誌指定でお願いします。
○横山委員 全て指定でお願いします。
○■■委員 全て指定でお願いします。
ちょっと一つ聞きたいことがあるんですが、よろしいですか。
○会長 はい。
○■■委員 今回、この 『ANGEL COMICS』というところなんですけど、この出版社が、過去 1 年間の指定回数が 4 回になっているんですけど、この 4 回指定されているということに関して、行政として指導的なものをどのように考えているのか。これは条例の範疇になるのかと思いますけど、そこら辺をお伺いしたいんですが。
○青少年課長 まず、1 回でも指定になれば、出版社を都庁にお呼びして、指導いたしますので、4 回で指導とい うことではなく、1 回で指導いたします。4 回指導が重なっているとい うふ うにご理解 ください。
○■■委員 わかりました。1 回でも指導するとい うことなんですが、4 回指導されているとい うことは、言っていることを理解 していないとい うふ うに判断できると思 うんですけど、例えばそれは、出版物がそれぞれ違 うからですよとい う話になってしまうのか、でも、やっぱり1 回やると、大体どの程度の内容にすればひっかかるんだとい うのが当然わかると思 うんですよ。それを4 回とい うことは、異常じゃないかなとい うふ うに思っていますので、その出版社は作成する部分に当たって、それに対して区分陳列をお願いしているとい うことですから、販売しているところが悪いのかどうか、それとも出版元が悪いのかどうか。だから、出版元が販売元に出荷するに当たっては、これは区分陳列をしてくださいとい うふ うにちゃんと言っているのかどうかとい うのも、そこら辺もちょっとどうなのかとい うのをお伺いしたいんですが。
○青少年課長 まさに■■委員がおっしゃったようなことを、指導の中で共通認識は持っております。それがしっかりと編集側に伝わって、継続 していけば改善されるかもしれませんけれども、出版物は、その都度、また別物が出てくるとい う中で、必ずしも十分でないとい う現実がございます。こちらも、今までは何回もとい うことがあったんですけれども、平成 22 年度の条例改正で 1 年間で 6 回積み重なると、勧告させていただいて、さらに半年以内にもう一度指定になると、今度は公表みたいな形もとりますとい うことにしておりますので、少なくともこういった形で累回重ねるような方につきましては、しっかりと意見交換をしまして、やはり出版の方 と共通認識をさらに深めていきたいとい うふ うに思っております。


この会話では呼び出しをし、指導してもなお指定され続けるのは、
その出版社、編集者に問題がある、とされていますが、私はそうは思いません。
なぜなら、指定図書を最終的に決定する場であるはずの審議会内で、
指定理由を明示していないからです。
上記にある指定図書の基準には、性行為、裸体を描くだけでは指定にならず、
卑猥な感じを与えるか、若しくは人格を否定すると感じられるかがその理由であると書かれています。
この理由を審議会内で明示しなければ、呼び出しをしたとしても、
なぜ指定されたのかを説明することができるわけがありません。
そして、青少年課はその理由を明示するのは、委員ご自分であるとなぜ言わないのか?

○■■委員 それから、あともう1 点なんですが、単行本 とい うか、漫画的なものが今まで多かったんですけど、今回の 『性愛の技法』とい う部分に関しては、小説といいますか、文章が結構入っているんですね。ですから、写真だけでなくて、文章に対しての青少年の健全に関してとい うのは、これは見ていくべきなのかどうかとい うのを、ちょっと教えていただきたいと思います。
○青少年課長 文章、いわゆる小説についても、当然ながら対象 とはなっております。ただ、 一般的に小説につきましては、見る青少年にとっても感 じ方がさまざまでございます。大人でもさまざまだと思 うんですけども、少なくとも画像みたいな形で直接的に刺激するようなものではないとい うことから、小説については、今のところ指定基準に達するようなものは出てきていないとい う状況です。今までもいわゆる官能小説みたいな形で活字のものがたくさんありますけども、基本的には、指定にはなってなくて、著しく性的感情を刺激するとまでは、活字であれば言えないとい うことで、従来から判断してきております。
○■■委員 わかりました。
○会長 よろしいですか。
○■■委員 はい。
○会長 では、■■委員、お願いいたします。
○■■委員 三つとも指定でお願いします。
○■■委員 三つとも指定で結構です。
○■■委員 3 誌とも指定でいいと思います。
○■■委員 3 誌指定でお願いします。
○■■委員 3 誌とも指定でお願いします。
ただ、ちょっと気になるのが、『ANGEL COMICS 隣の人妻 大家さん②』とい うやつが、聴き取り結果では 「非該当」が 8 名いらっしゃるとい うことですね。これを 「非該当」にするとい うのはどうい う感覚なのかなとい うふ うに思いますが、3 誌とも 「該当」でよろしいかと思います。
○倉部委員 3 誌とも指定でお願いします。
○坪内委員 3 誌指定でお願いします。
○山下委員 全て指定でお願いします。
○会長代理 3 誌指定で結構です。
○会長 委員の方全員が 3 誌指定とい うことのご意見でございますので、3 誌指定とい うことで答申してよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○会長 それでは、3 誌指定とい うことで答申をいたします。


第24条
2 審議会の議事は、出席した委員(会長である委員(第22条第3項の規定により会長の職務を代理す
る委員を含む。)を除く。)の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

「東京都青少年の健全な育成に関する条例」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html

18人中18人の指定該当の決により、『SP コミックス 世にもHな都市伝説①』『ANGEL COMICS 隣の人妻 大家さん②』『いずみムック5 9 性愛の技法』の3誌が指定。
20名の委員から会長を除く19名の委員の多数決で決められるため、出席者は19名、欠席者は1名であることが分かる。

(組織)
第20条 審議会は、次の各号に掲げる者につき、知事が任命または委嘱する委員20人以内をもつて組織する。
一 業界に関係を有する者 3人以内
二 青少年の保護者 3人以内
三 学識経験を有する者 8人以内
四 関係行政機関の職員 3人以内
五 東京都の職員 3人以内

「東京都青少年の健全な育成に関する条例」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html

また、いずれの委員からも卑猥な感じを与える理由、人格を否定すると感じられる理由は述べられなかった。
指定理由を述べる委員がまったくいないのは、審議会の根本を否定するものである。
なぜなら、一定ページ数以上の性表現が描かれていれば、全ての図書が有害図書となってしまう「包括指定」と違い、
「個別指定」は内容を吟味し、委員会での審議によって指定するものである。
東京都青少年健全育成審議会は「個別指定」を行っている。
各専門家である委員は、各々の学術的根拠に則った指定理由を必ず併記すべきである。


■議事の進行
(「なし」の声あり)
(「異議なし」の声あり)


議事の進行でこのような記述があるが、どなたか一人の声で審議が打ち切られている疑いがある。
本来ならば

(「あり」の声なし)
(「異議あり」の声なし)

という記述で無ければならない。
議会内で、委員の意見がしっかりと取られているのか疑わしい。

■環境浄化活動
続いて、22 ページをご覧ください。こちらは、都が委嘱しております東京都青少年健全育成協力員の環境浄化活動の 2 月分の状況でございます。
平成 26 年 2 月までに委嘱しております協力員は 1,016 名、2 月の活動者数は 257 名、調査店舗数は 772 店舗でございます。
こちらの表は、各店舗におきまして、指定図書類、表示図書類、それから小口シールどめ誌を初めとした大人向けと思われる図書類につきましての包装や区分陳列等の実施状況の調査結果でございます。なお、包装や区分陳列が徹底していない店舗につきましては、職員による立入調査を順次行っております。


表示図書と違い、小口シールどめは、出版社主導のものである。
表示図書とは、「成年向け」と楕円のマークが表紙に印刷された図書のことを言い、
当初はこちらも出版社の主導のものであったが、
条例により努力義務が課され、東京都主導で規制されたものなっている。
これに対し、小口シールどめ誌は条例により明文化された物でない。
しかし、仮に小口シールどめ誌を、条例の7条に当てはまるものとして見ているのならば、
その根拠を都は示すべきである。
示すことが出来ないのならば、類似図書、成年向けと思われる図書類、と示している図書の調査を、
即刻止めるべきである。

第7条 図書類の発行、販売又は貸付けを業とする者並びに映画等を主催する者及び興行場(興行場法(昭和23年法律第137号)第1条の興行場をいう。以下同じ。)を経営する者は、図書類又は映画等の内容が、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、相互に協力し、緊密な連絡の下に、当該図書類又は映画等を青少年に販売し、頒布し、若しくは貸し付け、又は観覧させないように努めなければならない。
一 青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの
二 漫画、アニメーションその他の画像 (実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの

「東京都青少年の健全な育成に関する条例」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html

出版社の小口シールどめによる自主規制と、コンビニエンスストアの成年向けコーナーでの販売の自主規制が、
第7条が示す自主規制「青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」と合致すると言うのならば、
その根拠は何か?
出版者が行なう自主規制は全て第7条に当てはまると考えているのか?
東京都青少年健全育成協力員にどの様に説明しているのか?
環境浄化活動、職員による立入調査の際は、その人物の基準に因るものか?
区分陳列無し、配慮無しとの調査結果は単に、書店が自主規制に値しないとしているだけではないのか?

(これらの問題は、出版社や販売店が独自に行なってきた自主規制を、
都がその基準を明確にすることなく、条例に取り入れたことが原因である。
これは、出版社や販売店がその利用者、そして非利用者への利便の向上として行なったことである。
東京都青少年・治安対策本部が行っているのは、出版社の好意に着け込み、
それを規制するために利用していることに他ならないではないか。
私はこれを卑劣な行為であると考える。このような行為を青少年に奨励するのか?)

また、これらはこれまで都が再三言ってきた「出版社などの自主規制を尊重する」という言に明らかに反する。
「出版社などの自主規制を尊重する」とする発言を撤回するべきである。

また、調査を委託している協力員(東京都青少年健全育成協力員)には、謝礼が払われているが、
活動者257名にのみ払われているのか?
それとも活動していない759名にも謝礼が払われているのか?
謝礼は一人当たりいくらになるのか?
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by k1kuraki | 2014-04-23 04:05 | 都条例

第634回東京都青少年健全育成審議会

○会長 それでは、ご覧いただけたようですので、各委員から順次ご意見をお願いいたします。
■■委員からお願いいたします。
○■■委員 指定でお願いします。
○■■委員 私も指定でお願いします。
○■■委員 私も指定でお願いします。
○■■委員 指定でお願いいたします。
○■■委員 指定該当でいいかと思います。
○稲葉委員 指定でお願いします。
○鵜飼委員 指定に該当すると思います。
○中村委員 指定でお願いいたします。
○■■委員 指定該当でいいです。
この聴き取り内容のところに薬物使用とい う言葉が 2 回ほど出てくるんですね。ずっと確
認 したんですが、薬物使用らしきものが見つからなかったので、多分、一番最初に出てくる
催淫剤 らしきものの話のことなのかなと思いました。薬物使用のことをもし書いているのだ
とすれば、さらにハー ドルはもうちょっと厳 しくなるのかなと。つまりもっと指定の頻度は
高くなるのかなと思います。特に、作品の中で性行為だけじゃなくて薬物使用についてはか
なり厳 しく見ていただきたいなと。これは事務局のほうに要望を出しておきます。
それと、同じように聴き取り内容の中で見ると、これは前からずっと言っていることです
が、「青少年が買 うかどうかわからない」とか 「青少年が性的興奮をするかどうかわからない
から」とい うのが、これは指定該当の方にも、それから保留の方にも、非該当の中にもある
んですけれども、青少年がとるかどうかわからないとい うレベルであれば、それが指定非該
当や保留の理由にはならないなとい うので、この辺がやっぱりまだ、聴き取っているのは業
界の方々ですから、なかなか認識が伝わっていないのかなと思 うので、これも改めて、その
方々にも周知徹底ですね。あくまでゾーニングなんだから、青少年が興奮を覚えるからだめ
だとかとい う意味ではなくて、これは買わないだろうとか、覚えないだろう、だからいいじ
ゃなくてとい うことを理解 していただくように促 していただきたいと思います。
以上です。
○■■委員 指定でお願いいたします。
○■■委員 指定でいいと思います。
○■■委員 指定でいいと思います。
○■■委員 指定でよいと思います。
○■■委員 指定でお願いします。
○坪内委員 結論の前に、私も一言意見を言わせていただきます。
今回も含め、■■委員さんが毎回おっしゃっているように、自主規制団体の方がやはり十
分に条例内容を理解されていないように思います。先ほど■■委員さんが指摘した以外に、
「犯罪行為のほうが気になる」と言っているのに保留とい うのが書いてあるんですね。これ
は、犯罪行為も基準上は指定該当の基準になっているはずですので、こうい うような誤解を
しているとい うこと自体、やはりもう少しどうにかしなきゃいけないのかなとい うふ うには
思っています。
結論で言 うと、もちろん指定でお願いします。
○山下委員 指定でお願いいたします。
○会長 わかりました。
委員の皆様、全員が指定該当とい うご意見でございますので、指定とい うことで答申して
よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
○会長 それでは、指定とい うことで答申をさせていただきます。


第633回東京都青少年健全育成審議会より


・有害図書の指定
16人中16人の指定該当の決により、『愛の体験スペシャルDX 2013 4月号』 が指定図書となりました。

第24条
2 審議会の議事は、出席した委員(会長である委員(第22条第3項の規定により会長の職務を代理す
る委員を含む。)を除く。)の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。


東京都青少年の健全な育成に関する条例(PDF)より


委員数は全20名で、会長を除く19名が多数決の権利を有する。そのため3名の欠席が有った事が分かる。
本来ならこの「委員16人中16人の指定該当」の方が重要な意味があるはずですが、
この数字が記載されていません。

反して、自主規制団体の意見は、あくまで参考意見であり、
その指定該当、非該当の人数には何の意味もありません。
自主規制団体の多数決数の削除、そして委員の多数決数の記載をすべきであると思います。


・審議の過程
東京都青少年健全育成審議会では、「個別指定」という方法で有害図書を決めています。
一定ページ数以上の性表現が描かれていれば、全ての図書が有害図書となってしまう「包括指定」と違い、
「個別指定」は内容を吟味し、委員会での審議によって指定するものであるため、
その「指定理由」が大きな意味を持ちます。

指定理由の重要性は以下のようなものが考えられます。
1:指定図書は販売店での扱いのし難さ(販売、包装、陳列方法に、重い罰則のある義務が存在する)から、
敬遠される傾向にあり、販売店は勿論、出版社にも不利益を被らせるため。
2:東京都青少年の健全な育成に関する条例 第9条の3(表示図書類に関する勧告等)によって、複数回の有害図書指定により、出版社にペナルティが課されるため。

指定理由が示されなければ、出版社はこれらを回避することができません。
毎月必ず有害図書が指定されるのは、表現が過激になっているからではありません。
審議会が情報提供を怠った、怠慢にその責があります。
委員の方たちには、指定該当となったその理由をはっきりと仰って頂きたいと思います。


・自主規制団体への周知徹底
自主規制団体の意見に対して苦言をしている委員の方がいらっしゃいますが、
上記に記したように、自主規制団体の意見はあくまで参考意見でしかありません。
そのため、自由に意見をするのが望ましいと私は思います。
それに反して、同じく上記したように、委員の方の意見の方が重要であります。
なぜこの委員の方は自分の指定理由は言わずに、自主規制団体に対して苦言を呈しているのか分かりません。
皮肉を言わせて貰えば、この方のほうが条例の趣旨、そしてご自分の立場が分かっていないのではないかと思いました。


・作品内の薬物という表現
薬物という表現に対して、意見が出されましたが、
現条例内の有害図書の基準には、薬物に関する記載はありません。
つまり、新たな基準として、薬物表現に対して規制を行うべきではないか、と言う意見のようです。

意見としてはかなり唐突に出された印象で、
今回の指定図書内では、委員本人が言うように薬物表現がありません。
表現された現物も無しに、青少年への影響を思慮することができるのか、甚だ疑問であり、
現に委員本人から、青少年への影響についての言がありません。
新たな表現規制の話をするのなら、他の委員の方ともしっかりと審議していただきたい。
これは、それほど重要な話題のはずです。
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by k1kuraki | 2013-05-11 00:09 | 都条例

第633回東京都青少年健全育成審議会

〇会長 それでは、ご覧いただけたようですので、各委員からご意見をいただきたいと思いま
す。■■委員からお願いします。
〇■■委員 双方指定でお願いします。
〇■■委員 両誌指定やむなしと考えます。
〇■■委員 私も 2 誌とも指定で。
いつも思うんですけど、ボーイズラブ的なものって、女の私として見て、そんなに違和感
がないというか。最初、「それほどでもないな」と思いながら、見てたんです。ここに書いて
あるように、後半はやっぱりかなりすごいので、やっぱり指定やむなし、なんですけども。
まず、私たち大人がボーイズラブを承認していいのかどうかという問題は、ここで議論す
ることではないんでしょうけども、やっぱりそれ自体が、もうだめと言ったほうがいいのか
な。そんなことはどっちでもいいんですが。そんなことって、言っちゃいけないんですけど、
やっぱりそういう意味を考えたら、もうボーイズラブは絶対だめ、というふうに決めたほう
がいいのかなというのが。定義ってないですよね。親として見たら、いやかな。
〇■■委員 僕らのころだと、男と男、女と女、「お前ら、変だよ」ということもあったんだけ
ども、今はそう言えないですよ。それは昔からある愛情のかたちですからね。だからやっぱ
り、ボーイズラブはボーイズラブで、大人になるとホモになるんですけども、それが要する
に、青少年が読んで卑わい感、条例にあるような感情を与えるかどうか、ということで、判
断するよりしょうがないんですね。多分この条例も、皆ほとんど女の子が買ってるらしいん
ですけど、まさかボーイズラブがこんなにいろいろ出てくると、全く想定してなかった条例
じゃないですかね。だから、それが悪いとは言えないんですよね。だって、ヨイトマケのお
ばさんがいるんですから、大スターで。圧倒的スターが。
〇■■委員 娘の友だちにも、そういう話は聞くんでね、「僕たち、ラブラブだ」って、私の先
輩が言ってるとかという話で。だから、現実はそうなんだなと思うんだけど、わかりました。
でも後半は、もうここにあるように、本当に卑わい感がいっぱい揃ってますので、指定で
いいです。
〇■■委員 私も 2 誌とも指定でお願いいたします。
〇■■委員 同じく、2 誌とも指定でお願いいたします。
〇■■委員 2 誌とも指定で結構です。
〇稲葉委員 2 誌とも指定でお願いします。
〇江上委員 2 誌とも指定でお願いします。
〇中村委員 2 誌指定でお願いいたします。
〇■■委員 僕も同様の疑問を持っていたんですけど。1 誌目は、指定でやむなしと思います。
性描写も多いですし。2 誌目については、ボーイズラブのものというのは、基本的に、いわ
ゆる「腐女子」と言われる人たちが買う、という話がありましたけども、性的感情を刺激す
る目的で描かれているかというと、そうでもないというのが、一般的にはあるのかなと。恋
愛のかたちとして描いてるというのであって。買ってる女の子たちも、そういうことを目的
にして買ってるわけではない、ということがあるんですが、ただ、同等に扱うというか、そ
ういう観点で見るとなると、今回のものは、ちょっと性行為が露骨で多すぎるのかな、とい
う気がいたしますので、2 誌目も、ちょっと難しいところですが、指定やむなし、というこ
とにしたいと思います。
〇■■委員 2 誌とも指定でお願いいたします。
〇■■委員 2 誌とも指定でいいと思います。
〇■■委員 2 誌指定でいいと思います。
〇■■委員 2 誌指定でよろしいと思います。
〇■■委員 2 誌指定でいいと思います。
〇坪内委員 2 誌とも指定でお願いします。
〇山下委員 同じく、2 誌とも指定でお願いします。
〇会長 委員の皆様全員が、2 誌指定というご意見でございますので、2 誌指定ということで
答申してよろしゅうございましょうか。


http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/633/633gijiroku.pdf
第633回東京都青少年健全育成審議会より


『ANGEL COMICS シュガーポットへようこそ①』
『心騒がせるキミと 光彩コミックス9 8 』
2冊とも17人中17人が指定 (委員全20名 会長を除く19名の投票の内2名は欠席と思われる)

青少年への影響理由が明言されているとは言えません。
今回は有害図書指定のほかに、優良映画の推奨も合わせて行われましたが、
そちらでは、とても活発な議論が行われています。
例えば出演者が大人である点や、上映時間の長さなど、小学生には理解が困難ではないかという様に、
子供の読解力を考慮した上で、作品の有用性を問うています。
なぜ、この様な議論が有害図書指定の場合に行われないのか理解に苦しみます。

一 著しく性的感情を刺激するもの 次のいずれかに該当するものであること。
イ 全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写することにより、卑わいな感じを与え、又
は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。
ロ 性的行為を露骨に描写し、又は表現することにより、卑わいな感じを与え、又は人格を否定する
性的行為を容易に連想させるものであること。


http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/08_jyourei/08_p2.pdf
東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則 第3章 第15条 より


この施行規則に触れる可能性のある作品は幾らでもあります。
それらとこの2作品は何が違うのかを議論するのがこの審議会であるはずです。

もし、青少年の為、有害なものを見せないようにするというだけならば、それでも構わないでしょう。
しかし、出版社、書店に対してそれでは、営業妨害以外の何物でもなく、
書店への30万円という重い罰則、複数回指定した出版社へのペナルティは、
指定理由が明確でなければ納得できるものではありません。
もし、本当に悪影響があるというのであれば、出版社にとってもそれは看過できないことであり、
これからの作品作りへの影響を考えれば、指定理由の明言は義務であるはずです。


ここからは私の推測ですが、見解を述べたいと思います。
審議会が指定理由の明言をしないのは、指定理由が性行為の回数、
ページ内分量の多さによって決定しているからであると思います。
何故、これが明言できないのかというと、これは「包括指定」の指定方法と同じであるからです。
「包括指定」というのは上記のように性表現の分量で指定する方法で、
東京都が行っているのは、個別に審議し、指定する「個別指定」という方法です。
「包括指定」の問題点は、その分量が基準以上ならば何の審議もされることなく自動的に決せられる点で、
民主制とは程遠い方法です。

対して「個別指定」は、毎回審議を行うことで、本当の青少年への影響を議論できます。
指定理由の明言が無ければ、「個別指定」を行っている意味がありません。
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by k1kuraki | 2013-04-08 23:01 | 都条例

シュガーポットへようこそ を読んでの感想

18歳未満の方へ
ここで扱う作品、ゆずぽん著「シュガーポットへようこそ」は東京都により有害図書指定されています。
この作品を含む有害図書指定された作品は、
書店に陳列の義務、包装の義務、未成年への販売禁止の義務があり、
これらが守られない場合、書店に対して30万円の罰金が課せられます。
東京都内の書店に於いて、手に取って移動させたり、購入したりしないようにして下さい。

先日指定図書となってしまった、ゆずぽん先生の「シュガーポットへようこそ」を読み終わり、
感銘を受け、私なりに感じた感想などを載せたいと思います。

まずストーリーは、
ペンション「シュガーポット」の女性スタッフ5人それぞれの恋愛を綴ったラブストーリー物です。
オーナー、接客、シェフ、事務、新人がそれぞれの性格を基軸として、
愛欲、感情や理性、社会性等の様々な要素を取入れながら男女間の関係を、
性愛を象徴としながら進んでいきます。

感想を書く前に、青年コミックの性愛描写の特徴について触れたいと思います。
出版社の自主規制により、「成年マーク」を表紙に記した成年コミックと、
それのない一般コミックの2種類に分類されます。
成年マークは主に性愛を題材とした作品に付けられていますが、
一般コミックでも性愛を題材とした作品があり、
これらの一番明確な違いは、性器の描写の有無です。
現在一般コミックで性愛を扱った作品は、性器に白い修正が施されています。
その為、ビジュアルとして劣り、性愛描写以外の大きな主軸となる要素が不可欠となります。
それは作品によって、ストーリーであったり、綿密でよりリアルな背景描写、社会描写であったりします。

この「シュガーポットへようこそ」で性愛と伴に描かれる要素は、
人物の性格、愛情、感情等といった人物描写の多様性です。
ペンションスタッフのお客様に対しての愛情、不器用な相手への慈愛、
サディズムとマゾヒズム、男女間の信頼、体に対してのコンプレックス等、
一つの職場で働く人間でありながら、その形は大きく違い、
他人から見られる評価と本来の自分とのギャップなどと相まって、
他の人物との比較からより一層際立ちます。
その多様性は教科書的ですらあると言えます。

例として5人の中からメインとなるオーナーの話を紹介します。

2人で予約したカップル、しかし夜になって訪れたのは男性のみ。
事情を聞くと性生活の不一致で仲違いしてしまったらしく、
それを聞いた女性オーナーは、自分と一緒に練習してみてはどうかと持ちかけます。

ここでの誘いはお客様への慰安という意味でのもの、というのが建前になっていますが、
それは明らかに逸脱しており、男性個人に対する好意によるものであることが示唆されます。

そして、後日男性は再びペンションを訪れますが、
オーナーの働きによって寄りが戻った彼女も一緒です。
今度はその彼女から性の相談をされ、彼女を労わってばかりで、
男性は自分を二の次にして物足りなさそうであるらしい。
そこで2人で男性を奉仕することになる。

ここでのそれぞれの感情は、男性はオーナーへ好意が移っていることが描写され、
一方オーナーは、連れの女性の男性への想いが真剣であることを感じ取り、一歩引く事を決意します。
その一歩引く所以は、彼女もペンションに訪れたお客様であるから悲しませることはできない、というもので、
ペンションのスタッフとしての好意と、男性への好意が先ほどと逆転してしまっていることが描写されます。

これら複雑に絡まりあった多種多様の愛情の出現がこの作品の魅力で、
一筋縄ではいかない男女の関係が巧みに描かれています。

青少年への問題点を私なりに考えると、
この作品はその性質上、避妊具の描写ができないということが最大の欠点であると言えます。
ですので、避妊具を装着していると想像できない読者に対しては、
配慮が必要であると言えると思います。
しかし、それは作品内で扱うという様な、個別の案件というよりも、
読者への基礎教育としてもっと大きな枠組みでなされるべきではないかと思います。

その点を除けば、この作品は、性愛を伴う恋愛、情欲、社会性などを扱った物として、
とても優れていると感じました。
また、酒造所の描写、シェフとグルメ雑誌の記者というアイディア、会話のセリフ等も秀逸で、
端的に言えば非常に面白かったです。
東京都では18歳未満には販売、閲覧が禁止されてしまいましたが、
私は彼らにこそ見て欲しい作品であるとすら感じました。
この作品を手に取ることができる方達には、
ぜひ一読して欲しい作品です。
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by k1kuraki | 2013-03-29 00:28 | 都条例

シュガーポットへようこそ についての考察

「シュガーポットへようこそ」という作品が先月指定図書となり、
回収に至ったことが著者のゆずぽん先生から発言されましたが、
情報が錯綜しているようなので、私なりに纏めてみました。

「回収」について
著者は回収という言葉を使用していますが、コミック専門店などはまだ販売していると言う意見があるため、
正確に言えば、書店の自主的な「返本」であると考えられます。
なぜ返本するのかというと、指定図書(東京都が指定した有害図書)は、
流通(問屋)で扱わないという自主規制があるためで、
扱っているうちに返本しなければ、再販制度に適用されなくなり、
書店が在庫を抱えることになるためだと思われます。

2013.3.25追記
一度の有害図書指定で流通業者がその図書を扱わなくなると言うことはありません。
流通業者が図書を扱わなくなるのは、「帯紙措置」と呼ばれる、
「東京都の不健全図書(有害図書)として連続3回、もしくは1年間に5回以上指定された出版物(雑誌)は、
特別な注文等がない限り取次業者では扱わない」

という自主規制ルールの場合でした。
大変失礼致しました。

「回収」は大げさな表現か?
都条例は指定図書を子供に見せないように、書棚を区分けすることを求めているものであり、
今回の書店の返本は過剰な反応ではないか?という意見があると思いますが、
都条例を詳しく見てみるとそうとは言い切れません。
都条例の第18条には指定図書の販売者に対して警告を発するとあり、
第25条には罰則として30万円以下の罰金を処すとあります。
誤って未成年に販売してしまったら、大きな損失を被ることになり、
過剰な反応とは言い切れないでしょう。

エロマンガが一般で販売されているのか?
「シュガーポットへようこそ」のように、毎話性交シーンが描かれたコミックスが、
青年コミックという扱いで一般発売されています。
これらの作品が載っている雑誌の多くは、青年向けコミック雑誌から独立したという歴史があり、
性交シーンがあれど、ストーリーに重きを置き、読みきりよりも連載作品が多いという特徴があります。
青年コミックのHな作品に特化しているものの、成年コミックよりも表現が抑え目な作品、
所謂グレーゾーンなどと言われることがあります。

成年マークを付ければ良いのではないのか?
成年マークを付け、子供に見えないように販売すれば解決するのではないのか?という意見があると思いますが、
これも都条例によると、そうとは言えません。
まず成年マークと言うのは出版社の自主規制であり、都条例では「表示図書」という扱いをしています。
指定図書は未成年に販売すると罰則がありますが、
表示図書は未成年に販売しないようにする、「努力義務」となっています。
指定図書に成年マークの描かれたシールを貼るなどして、表示図書とすればよいと思われますが、
都条例第9条の2の、表示図書の解説にはしっかりと、「指定図書は除く」と記載されているため、
指定図書の罰則は覆らないことが分かります。

性器の描写はどうなっているのか
参考画像として張られている同作品のサンプルが見られますが、あの画像は雑誌掲載時のものであり、
今回回収となった作品には、性器に対して大きな白塗りが施されており、全く見えないようになっています。
それに加えて、お尻の穴や体液についてもその縁取りが白く塗りつぶされており、
自主規制が行われています。

都条例のどこに違反しているのか?
この作品が指定図書となった根拠は、「東京都青少年健全育成審議会」によって、
以下の施行規則に触れるためであるとされています。

イ 全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写することにより、卑わいな感じを与え、
又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。
ロ 性的行為を露骨に描写し、又は表現することにより、卑わいな感じを与え、又は人格を否定す
る性的行為を容易に連想させるものであること。

「東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則 第15条より」

自主規制団体からの聴き取り結果とはなにか?
この作品が指定図書とする意見として、以下のようなものが自主規制団体から出されました。

聴き取り内容
・修整はされているが、性描写が多いので指定該当
・修整されているものの、性描写が多く指定やむなし。
・消しはかなり施されてあるが、全編性描写であり、
 露骨で卑わい。指定やむなし。
・性交場面は多い。絵はコミカルで、後半の展開に問題があるが
 消しもなされている。判断が難しいが指定該当
・コミカルタッチだが性描写が多く白ヌキの修整も
 かえっていやらしい。指定やむなし。
・編集上の工夫もあるが、女性器への指の挿入等、
 性交を容易に連想する箇所が多く、指定該当
・男性器がその形状のまま白ヌキにされるのみで、
 性交自体の描き方は露骨。卑わい感も強い。指定該当
・消してはあるが、結合部分の男女の性器がリアル過ぎる。
 擬音や体液もわいせつ感を高めている。指定該当
・性描写が多く、擬音、体液の描写も多い。
 男性器を白ヌキしてあるが不十分。指定やむなし。
・絵が雑で修整もされているように感じるが、
 全体的に性交シーンが多い。指定やむなし。
・修整されているが卑わいな感じがあり、
 表紙も青少年に取りやすく成人マークを付けた方がいい。指定該当
・修整はされているものの、全編性描写で、
 シーンも非常に多い。指定やむなし。
・体液の部分はやや気になるが、修整もきれいにされており、
 この程度であれば許容範囲と考える。指定非該当
・性交場面は多いが卑わいな感じの絵ではない。
 修整も白ヌキで大きめに入っている。指定非該当


しかし、これらはあくまでも「参考意見」であり、
実際に指定図書を決めるのは「東京都青少年健全育成審議会」であります。
現に、自主規制団体の殆どが「指定非該当」とされた図書であっても、
審議会では指定図書として有害指定してしまう例はいくつもあります。

東京都青少年健全育成審議会ではどのような議論がされているのか?
今回の「シュガースポットへようこそ」を扱った633回審議会の議事録はまだ発表されていませんが、
632回の審議の様子を以下に示します。

〇会長 ご覧いただけましたでしょうか。それでは順次、各委員からご意見をいただきたいと思います。
■■委員からお願いいたします。
〇■■委員 両方指定でお願いします。
〇■■委員 2 誌とも指定やむなしと考えます。
〇■■委員 2 誌とも指定でお願いします。
〇■■委員 2 誌とも指定でお願いします。
〇■■委員 2 誌とも指定でお願いいたします。
〇■■委員 2 誌とも指定でいいと思います。
〇稲葉委員 2 誌とも指定でお願いします。
〇江上委員 2 誌とも指定でお願いします。
〇中村委員 2 誌指定でお願いいたします。
〇■■委員 2 誌指定で問題ないと思います。
一つだけ。聴き取り内容、毎回思うんですけど、非該当の方々、修整されてればいい、
という意見が散見されますので、条例の中身を本当に理解してもらえるように、促したほうがいいと思います。
以上です。
〇■■委員 2 誌とも指定でいいと思います。
〇■■委員 同じく 2 誌指定でいいと思います。
〇■■委員 2 誌とも指定でいいと思います。
〇坪内委員 2 誌指定でお願いいたします。
〇嶋村委員 2 誌とも指定でお願いいたします。
〇■■委員 2 誌指定でお願いいたします
〇会長代理 いずれも指定で結構です。
〇会長 全員の委員の皆様が 2 誌指定ということのご意見でございます。
2 誌指定ということで答申してよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
〇会長 それでは、2 誌指定ということで答申させていただきます。


以上が審議会委員の審議の全てであり、指定理由などは全く意見されていないことが分かります。
この様な審議が毎月行われており、ただ都職員が持ってきた図書を素通りさせているだけ、というのが現状です。

自主規制しないから公的規制されてもしかたがないではないか
まず、自主規制と公的規制は明確に区別しなければならないでしょう。
自主規制というのは読者に対して行われる配慮であり、
読者の年齢、社会的、時代的背景などを鑑みて行われるものであり、
自主規制自体も一種の表現の一部であると言えるでしょう。
一方、公的規制は読者に対して明らかに悪影響がある場合に対して、
それを行わないように供給側に規制を設けるものであり、
今回の「東京都青少年の健全な育成に関する条例」は、青少年に対して悪影響のあるものを規制するものです。
つまり、これらは全くの別物であり、自主規制していても、公的規制されるときはされてしまうということを意味します。

自主規制しないから条例が厳しくなるのではないか?
自主規制していても、公的規制されるときはされてしまいます。
現に、コンビニエンスストアで販売されている青シールが張られて読めなくなっている成年向け雑誌は、
青少年に販売しないようにする立派な自主規制ですが、
青少年健全育成審議会では、その内容が過激ではないかと度々議論しています。
またビデオゲームにはCEROという自主規制団体があり、
レーティングなど徹底した自主規制を行ってきましたが、都条例改正で公的規制を受けてしまいました。
寧ろこれまでの都条例の改正をよく読んでいくと、
供給側の自主規制をそのまま条例に取り込むことを行っており、
自主規制すればするほど条例が厳しくなるということになっています。

著者の主張はなにか?
今回のような話題に上らないだけで、指定図書は毎月指定されています。
その著者らの意見を見ていると、その主張の多くは、
「何が指定された理由なのか、何所を直せばよいのかが分からない」
というもののようです。
自主規制団体からの聴き取り結果は、参考意見でしかなく、
東京都青少年健全育成審議会では、議論されることがなく、
条例を見れば、半裸(つまり水着、下着など)でも指定され得ると書かれています。
これでは供給側には手の打ちようがありません。

エロマンガは全て成年マークを付けて、規制してしまえばよい、という意見もあって良いと思いますが、
それと同時に条例や審議会の曖昧さ、杜撰さへの批判や議論も活発になって欲しいと思います。
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by k1kuraki | 2013-03-25 00:55 | 都条例