第647回 東京都青少年健全育成審議会 メモ 3/3

■「メディアとの関わり方」という教育
○瀧村委員 2誌とも指定でよろしいと思います。
○大須賀委員 2誌とも指定でお願いいたします。
○会長代理 1につきましては、そのまま指定で結構です。
2につきましてですけれども、これは旧基準、それから新基準におきましても、むしろ児童ポルノ的な内容について議論されるべき内容という気もいたしまして、区分して売るべきか否かと判断しましたら、区分して売っていただいたほうがいいでしょうと言わざるを得ない。ただし、これは近親相姦という1点を理由にして新基準適用の第1号という形にすることにはちょっと慎重にならざるを得ないという意味で、区分して売っていただきたいと強く希望し、指定することには反対いたしませんが、私としては新基準適用第1号という形での指定は保留とさせていただきます。

「妹ぱらだいす!2」に登場する人物は、作品中で年齢は明示されていないが、
学生服を想起させる服装から児童(18歳未満の青少年を指す)であると予想される。
このことを指し、「児童ポルノ」と称して言及していると思われる。
「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」の第一条である目的を見ると、
それは実在する児童の保護であることが記載されている。

しかし、この作品は絵画であるため、保護する児童は存在せず、
より正確に、都条例で問題にされた言葉で言い換えれば、「非実在青少年による性表現物」である。
「非実在青少年」とは、2010年の条例改正案において使われた言葉で、それらの性表現の規制を行うよう記載されていた。
しかしその後、この規制案は立ち消えとなるが、未だに問題としている委員がいることがわかる。

これは委員の無知というよりも「非実在青少年」の議論が未だ未熟であるためと考える。
「非実在青少年」という言葉が使われなくなった経緯を振り返ると、
当時の石原都知事の鶴の一声でうやむやにされてしまったように感じる。
「非実在青少年」の問題は、都議会においては、条例の適用範囲があいまいである点が指摘されていたが、
それ以前に絵画による表現物の持つ特性についてもっと議論がなされるべきではないかと考える。

写真や、ビデオなど、現実にあるものをそのまま記録するメディアが存在する現在において、
歴史上、記録するための絵画はその役割がなくなっている。
それに代わり、より特徴付けられるのが、現実とはかけ離れたもの、フィクションとしての描写である。
特に顕著なのは社会規範に反した描写である。
写真やビデオが、どんなにファンタジックなものを撮ったとしても、そこに写る人物は現実に存在する。
そのため、これらのメディアは、ドキュメンタリーとしてでなければ、社会規範から外れたものを表現することが法律上できない。
しかし、絵画の中で描かれた人物には人権がない。
そのため法を犯すものを容易に描くことができるのである。
実写ではできない表現、これが現在の絵画の存在意義であるといっても良いかもしれない。

それを念頭において、条例の目的である青少年に対する影響を考慮するのならば、
出版物を規制する前に、まず大人が社会規範として、しなければならないのは、
表現物との接し方、捉え方を教えることであると考える。

その上で「非実在青少年による性表現物」の青少年に対する影響を考えると、
それは内容を模倣した不用意な性的接触による、女性の受胎、性感染症などが考えられる。
そしてこの問題の根本的解決はその表現物を青少年から遠ざけることではなく、青少年へ与える情報や教育である。
また、漫画の文化としての表現の多岐化、先鋭化は目覚ましく、
青少年の教育としてのメディアの役割を担うに等しくなっている。
(女性の妊娠、育児を扱った作品は数多くあり、未成年の妊娠を扱った作品もある)
その点でも安易な表現の規制を行うべきではない。

行政としての事務局の活動は置くとして、
これらを考慮に入れず、図書の危険性にのみ目を向ける審議会委員の質は疑われるべきである。


■審議会の独立性の疑い
○会長 ありがとうございました。
お三方から、新基準の適用についてはいかがかというようなこともございましたけれども、いかがしましょうか。
○■■委員 ちょっと私、言葉足らずだったかもしれませんけれども、これは新基準でしか諮問しないという諮問に対しての意見ということになるのですか。つまり、さっき私は旧基準だったら相当すると言いましたけれども、都のほうが新基準でしか出しませんということであれば、私は賛成しかねます。
○会長 これは諮問としては該当は新基準という形での諮問になっておりますので、そこでの判断になると思います。
○■■委員 そういうことであれば、新基準での諮問には反対します。
○■■委員 それは何条何項。
○会長 それは、先ほど言われました規則の第 15 条第2項第2号に該当するという形での諮問になっておりますね。
○■■委員 今の話の中で、さっきも私が意見として申し上げたのですが、こちらのほうですけれども、これは旧基準は適用しないのですか。それによって■■委員の考え方というか。
○■■委員 先ほどのお話だと適用しないということですね。
○■■委員 しないということですね。だから、私から見て、さっきも申し上げたけれども、ボリューム云々ではないと思うのですよ。ボリュームが多かろうが少なかろうが、やはり大人が見て、子供にこれは見せてはいけないというような判断を下したら、それは区分陳列をしてくださいと判断すべきだと思うので、そこはどのように考えられるのかということです。だから、そのボリュームがどの程度のボリュームなのかというのが明確に定められているのかどうか、すみませんが、私も勉強不足なので。
○■■委員 ないのでしょう、そういうものは。
○青少年対策担当部長 旧基準でいきますと、この1冊目と2冊目は、かなり強さといい、量といい、違うということはお感じになられているかと思います。今回の2冊目の本につきましては、先ほど申しました理由で旧基準には当たらないと判断いたしましたが、内容が新基準に当たるものでありましたので、今回諮問させていただいたところでございます。

先にも示したが、「妹ぱらだいす!2」が旧基準にあたらないと事務局が判断した理由は、
「性行為のボリューム」という、条例にも、諮問図書を選定する基準とも違う、まったく見たこともないものである。
委員が横から説明しているとおり、ボリュームの規定などなく、
事務局の勝手な判断で諮問図書が決定されていることが如実に分かる。
これを恣意的と言わずしてなんとするのか。

また、諮問が新基準であったからという勝手な理由で、旧基準の指定を暗に否定する審議委員会長の意見は、
審議会の第三者機関としての立場の否定を意味し、会長としての任が疑われる。
○■■委員 今そういうお話をされたので、あえて私は申し上げたのですけれども、結局、今、皆さんのご意見を聞いたときに、新基準としてこれをどのように判断するのかということだけでは見ていないわけですね。旧基準にも照らし合わせた中でこれが本当に望ましいのかどうかという判断を申し上げたわけですから、そこをちゃんとしてもらわないと、各委員の判断も変わってきてしまうと思うのです。
私は旧基準、新基準両方に当たると考えたので、区分陳列をしていただきたいということで申し上げたわけですけれども、そこの出し方によってちょっと判断が変わってきてしまう。
○青少年対策担当部長 今回は新基準として諮問させていただきましたので、こちらのほうの書籍が新基準に当たるのかどうかということをご判断いただく ことになるかと思います。
○■■委員 今の部長のご説明だと、新基準に当たるかどうかの判断をすると。仮に当たらないとなったら、区分陳列をしなくて青少年が簡単に手にとりやすくなるということになりますね。一方で今、■■委員は、これは旧基準でいいと、旧基準で指定すべきだとお考えになっている。となると、この図書は区分陳列されないわけですね。それはおかしいので、この本が世の中に出ていること、青少年が簡単に手にとっていいかどうかを条例の基準に照らして判断すべきであって、どちらの基準かどうかというのは二次的な話ではないかなと私は思います。だって、結局世の中に出てしまっているのだから。だめだとおっしゃっている方がね。それは理屈に合わないと思います。
○連絡調整担当課長 なお、仮に旧基準で審議する場合は、今までは新基準として自主規制団体からの意見等を聴取しておりますので、こちらで、これは新基準ではなくて旧基準で諮問すべきだということであれば、改めて旧基準として自主規制団体の意見を聞いた後にもう一度健全審を開くということになると思います。手続上、自主規制団体の意見をもう一度旧基準として聞かなければならない。
○■■委員 ちなみに、その新基準というのは旧基準も含まれたことですよね。新基準の部分だけをとって判断して、これはどうなのかという諮問なのですか。
○連絡調整担当課長 旧基準に該当したら、最初から旧基準として諮問をいたします。
○青少年対策担当部長 それがこちらの健全育成審議会のほうで、なるべく新基準については抑制的に規制をかける。まずは旧基準に当たるかどうかをやりまして、なるべく旧基準でやっていくということで考えております。

上では審議委員会長が否定していたが、
ここでは事務局の青少年対策担当部長、諮問図書を選定した当事者が、
今回の審議会での旧基準での指定図書の選定を否定している。
これは都による審議会への行き過ぎた関与である。

また、「事務局が諮問したのが新基準だから」という理由で、
2度の手間を自主規制団体、委員会に科すほど、
事務局の諮問(条例に基準の規定がない)は重大なものなのか?事務局は権限を持つのか?
この2度手間を科す行為は、審議会の旧基準の審議の拒否と受け取れる。
だとすれば、これは民主主義の否定であり、
言論の自由、表現の自由の侵害である。


■「指定図書とするための可否」か?「指定基準の可否」か?
○■■委員 新か旧か。つまり、専門委員の話にもちょっとありましたけれども、これの発行は KADOKAWA なのですよ。大出版社なのです。ですから、ニュースバリューはすごくあるのですよ。ところが、これの原本は 18禁、アダルトで出ているわけですね。そうすると、これにそれが載っていないのは、多分担当者が条例を全く知らないか、知識がないか、チェックする編集長なりも全然知らなかったか、極めてレアケースの問題が起きていないとそうなってしまう可能性はないのだけれども、そういう事情で出たもののはずなのです。これを KADOKAWA が、内容にすごく社会性があるので一石を投じたいというので出したのなら、基準で指定されようとどうしようと貫くのでしょうけれども、これは最初からこれですからね。マークをつけるのを間違えましたという話なので。
○■■委員 今のお話は非常に意味深い内容かなと思うのですけれども、これも前に私は質問させていただいたのですが、区分陳列をしてくれ、普通に置いてくれという判断は書店に委ねられるのですよね。
○■■委員 いいえ。
○■■委員 出版社側がこれを最初に書店に出すときに、区分陳列指定ですよと。
○■■委員 はい、決めるのです。
○■■委員 そうなのですか。なるほど、わかりました。
○会長 ほかにご意見はございますか。
○■■委員 変な言い方ですけれども、これがもっと激しいのだと新基準指定第1号でいいのですけれども、ちょっと中身が情けないですね。情けないのですよ。だから、最初のうちは、今回は勘弁してくださいよと申し上げようかなと思っていたのですが、できた事情を聞いてみるとそういう事情なので。私以外の人が指定とおっしゃったので、しようがないかなと。だから、どうぞそれでお決めくださいというようにします。
○■■委員 いろいろと意見を申しましてあれですが、できた事情がどうであるかということではなくて、この図書が条例の基準に照らして青少年の健全な育成に役に立つのか、あるいは阻害されるのかと、その1点を判断すべきであって、もろもろの事情は、話はもちろんしていいし、そこは聞いてみたいところですが、この審議会での議論に上げるべき話ではないと私は考えます。
○会長 ほかにご意見はございますか。
それでは、決定の前に一旦、■■専門委員にお入りいただきますか。ご意見をいただいたので決定の際には同席していただいたほうがよろしいかと思いまして。

下線で強調した部分の通り、「青少年の育成にどの様に作用するか」が審議会の議題である。
このことを確りと認識していらっしゃる委員がいることはとても心強い。

掲載された雑誌が成年向けだろうが、なかろうが、
出版会が騒いでいようが、なかろうが、
登場人物が大人であろうが、子供であろうが、
性行為のボリュームが多かろうが、少なかろうが、
大手出版社の図書であろうが、中小出版社の図書であろうが、
編集者が無知であるのがレアケースであるとか、
それらはこの審議会で議論するべきものではなく、
ただ一点、「青少年の育成にどの様に作用するか」が指定図書を選定する基準である。

このことは、審議会の開始時に必ず委員に周知することを求めたい。
○会長 ほかにご意見はございますか。
それでは、決定の前に一旦、■■専門委員にお入りいただきますか。ご意見をいただいたので決定の際には同席していただいたほうがよろしいかと思いまして。
(■■専門委員入室)
○会長 それでは、数々のご意見をありがとうございました。
■■専門委員にお入りいただいたのですが、何か再度ご質問等がございましたら、この際ですのでどうぞ。よろしいでしょうか。
それでは、新しい基準が初めてということで慎重に皆様方のご意見をいただいたので、これで指定か指定非該当かということで答申の準備を進めたいと思いますが、ご意見の中には、旧基準でも該当するというご意見もありました。ただ、諮問の該当基準につきましては、新基準ということでございます。大方の委員の皆様方が両方の図書については指定というご意見でございますので、2誌とも指定という形での取りまとめをさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○会長 それでは、2誌指定ということで答申をさせていただきます。
■■専門委員、どうもありがとうございました。

(定足数及び表決数)
第24条
2 審議会の議事は、出席した委員(会長である委員(第22条第3項の規定により会長の職務を代理す
る委員を含む。)を除く。)の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

「東京都青少年の健全な育成に関する条例」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html

16人の委員の内、16人が指定該当(旧基準でのみに指定と思われる)の決により、
「オール体験デラックス Vol.1」が旧基準で指定。
16人の委員の内、13人が指定該当(新基準でのみに指定と思われる)、1人が旧基準、新基準両方の指定に賛成、
1人が旧基準にのみに賛成で新基準に反対、1人が新基準での指定は保留(おそらく旧基準での指定に賛成)
の決により「妹ぱらだいす!2」が新基準で指定。
20名の委員から会長を除く19名の委員の多数決で決められるため、出席者は17名、欠席者は3名であることが分かる。

毎回であるが、決の仕方が大変いい加減で、今回の審議会はそれがよく現れている。
まず、有害図書となる条例上、施行規則上の基準を、事務局が決めていること、
これにより決の可否が、指定図書とすることの可否か、指定基準の可否かわからなくなっている。
そのため、「新基準の諮問のため、否決されたら更に後日旧基準の採決を行う」という、
事務局主導の、民主主義とは到底思えない進行になってしまう。
本来なら委員が、新基準、旧基準、どの基準に当てはまるか、自由に指定する理由を述べて良いのである。
旧基準に於いても、「裸体の描写が卑わいであるから」「性行為の描写が卑わいであるから」の2種類両方について諮問しており、
どちらか一方だけで指定と審議会が決したらどうするつもりなのか?

諮問図書の選定は、誰からも疑わざるを得ない明確な基準を作成、
例えば新基準であるなら近親者間の性交を描いた作品全て、
旧基準であるなら裸体が描かれた作品全てを諮問図書とするべきである。
しかし、それは現実的ではないため、諮問図書の選定の段階から審議会委員の立会いを行うのが良いと考える。


■まとめ

専門委員
・新基準での諮問図書を調査するための専門委員であるが、「芸術性等は見られない」とその報告を怠っている。
 一方で業務とは関係のない、本来審議会委員がする意見である「諮問、指定図書であることの妥当性」の言及、
 出版社の現状と乖離した見解である「出版社の販売形態の批判」の言及を行い、専門委員個人の能力不足が疑われる。
・委員の審議の場に専門委員は退出させられる。一方で事務局の者は退出しない。
事務局
・「妹ぱらだいす!2」の例から、事務局が判断する「全編大部分」とはページ数で2割。
・諮問図書には付箋が貼られ、旧基準は「性器描写」「性的行為の描写」「暴力描写」の、
 新基準は、「近親者間の性交、または性交類似行為」の、「始まるページと終わるページ」に黄色の付箋が、
 人物の間柄が明示される部分に青い付箋が貼られる。
・旧基準の場合、付箋の場所は公開されていない。
・事務局が行う諮問図書の「旧基準」選定の基準に、これまで聞いたことのない、
 「性行為のボリューム」というものを用いていることが判明した。
審議会
・有害指定の理由として「絵柄で子供向けと判別できない」「子供が読んだ場合の影響の懸念」
 「区分陳列して欲しい」というものがあった。
・有害指定の根拠として児童ポルノという言葉が使用されたが、
 絵画作品である漫画はそれに当たらず非実在青少年による性表現現物である。
・新基準で諮問された場合、審議会は新基準で審査されねばならず、
 旧基準で審査するには、また自主規制団体の意見聴取からやり直されなければならないという事務局主導の進行で、
 審議会の第三者機関としての独立性が疑われる。
・諮問時に条例上、施行規則上の基準を決めてしまうため、審議会の審議が、
 「指定図書とするための可否」か「指定基準の可否」か分からなくなってしまっている。
条例、施行規則
・審議会委員が、審議会前に新基準で諮問された図書を閲覧したのか判明しなかった。
・審議会の始まる前に、新基準での諮問が行われたことが出版会に知れ渡っていた。
 情報の経路は自主規制団体からの意見聴取時が考えられる。


審議会の公開について議論されている議事録
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_610_menu.html#612
[PR]

by k1kuraki | 2014-07-16 10:26 | 都条例

第647回 東京都青少年健全育成審議会 メモ 2/3

■子供の判断能力はどの様にして形成されるのか

指定図書の選定に関する意見が、これまでにない程多く出されているが、
審議会で議論されるのは、その図書が「青少年の育成にどの様に作用するか」という点であり、
それ以外の意見は指定の選定のための俎上に上がるものでない点に注意したい。

○会長 それでは、本日諮問された図書について各委員からご意見をいただきたいと思います。
○■■委員 2誌とも青少年の福祉を阻害するおそれがあると思います。いずれも区分陳列にふさわしい図書であると考えます。
○■■委員 2誌とも指定です。諮問図書類、番号2につきましては、施行規則第 15条第2項第2号の指定対象になると考えます。
○■■委員 私も2誌とも指定でお願いします。
○■■委員 私も2誌とも指定でお願いします。
○■■委員 私も2誌とも指定でお願いします。表紙だけを見ても、子供たちが手にとりやすい漫画チックな感じなので、手にして見てしまったらちょっと怖いなということと、これをもし男の子が見た場合、妹を見る目がどうなるのかなと。非日常的なことかもしれないけれども、これが当たり前のように判断能力のない子供たちが見てしまった場合、やはり小学生なんかはちょっと怖いなという気がしますので、本当にこれは指定でお願いしたいということと、1のほうも、青少年が買うわけはないと書いてあるのですけれども、やはりちゃんと区分陳列をすればいいことであって、わざわざ子供たちが手にとりやすいような棚に置くことはないと思いますので、2誌とも指定でお願いいたします。

子供たちが手に取りやすい絵柄である、手に取りやすい場所に置かれて販売されている等、
子供の接触の容易性について言及されている。
絵柄についてはその通りであり、上記でも触れたとおり、
一般作品とアダルト作品とは行き来を繰り返し、互いに影響を及ぼし合い、
また、作画者も同じく両者に跨り活動する例も多いため、絵柄での判別は難しいと思われる。

書店での配置については、まず単行本の形状について触れたい。
子供が読む少年誌に掲載されている作品の多くは、「新書判」という小さいサイズで単行本化され、
大人が読む青年向け作品の多くが採用している「B6版」とは違っている。
サイズが違うため、書店においてこれらは「空スペース」が出ないように、分け隔てて販売されていることが普通である。
さらに、購入者の利便を図るために少年向け、女性向け、青年向け、成年向けと細分化して置かれることに繋がり、
結果的に子供に見せない処置が自然に行われることとなっている。
性描写を含む作品が「ドラえもんの隣に置かれている」という発言が多々見られるが、
実際に書店へ足を運び、これら書店の努力を見れば誤解であることが容易にわかるだろう。
都の職員が図書を調査購入する際も、青少年が立ち入らないような場所からわざわざ購入しているような疑いもあり、
行政機関の主観が入らないよう、審議会委員が諮問図書を選ぶための図書を購入する段階から参加していれば、
この様な疑いもなくなるのではないかと思われる。

また、指定図書となった作品は、罰則がなくとも区分陳列がなされている表示図書と違い、重い罰則が付されている。
そのため、多くの指定図書が回収されているという情報もあり、
実際は書店で区分陳列されることなく、扱われること事態がなくなっているという現状である点を、
審議会委員は考慮されているのか疑問を感じる。
「子供たちが手に取り易いような棚」とはどの程度の事を言うのか、
委員がまず視察、思慮し、その上で意見を示して欲しく思う。

また、判断能力が途上である子供がその内容をどう捉えるのか未知である点が言及されている。
予想されるのは、兄弟姉妹間で図書内容をまねる事による、
性的接触の加・被害への警戒、および性意識形成の悪影響への警戒であると思われる。
しかし、これらの警戒への対策方法は、情報の遮断ではなく、性行為に関する知識の周知、教育である。
これらが正しく行われている上で、性行為を扱う作品は成り立っている点、
そしてその作品自体にも判断能力を向上させる要素が含まれるものがある点に注意しなければならない。

性行為を扱う作品の子供への悪影響は、
書店での自主的取り組みによる配置整理、
性行為に関する知識の教育、
そして保護者の監視と、様々な場所から幾重にも子供を加・被害から守る体制になっている点について、
それらを総合的に考えた上で委員には意見してもらいたい。

しかし、残念ながら現在の学校教育では、性教育として「性交」を教えられていない。
Q 5 性交 については、 どのよ うに扱 うのか ?
A 5 小 ・中 ・高校いずれ の学習指導要領 にも 「性交」は示されておらず、小学校においては「性交」を理解させることは困難である。小学校生活科で扱うとすれば、多くの人に支えられて誕生し成長したことについて触れる程度にとどめることが適切 である。 中学校第3学年においては、「感染症 の予防」のところで性 的接触として触れている。指導の内容については、単元の本来のねらいや生徒の実態に応じて、指導の内容を十分に検討することが必要であり、人間尊重の精神に基づく男女相互の望ましい人間関係の在り方などと結びつけて指導していくことが大切である。
東京都教育委員会HPより


別の例では、正しい性行為を教えるべく作られた小冊子などの教育現場での使用が否定され、
議論、改善が行われること無く縮小してしまっている。
(「ラブ&ボディBOOK」、「花王 ロリエ からだのノート」、「七生養護学校事件」等を参照されたし)

なぜこの様な現状であるのかを考えると、
それは子供達がどの様に性行為に対して向き合い、育っていくのを良しとするのか、という大局を見ずに、
性行為の情報を、深い思慮なく遮断するのが子供達に良いのだと言う考えに囚われている為と感ぜられる。
これを強行するような歪んだ体制となれば、警戒や懸念だけが肥大し、
正しい情報ですら遮断、教えることができなくなってしまう。
「判断能力の無い子供には(与えるべき情報として)懸念がある」のその判断能力の形成すら否定してしまうのは本末転倒という他無い。
この意見を言った委員には、正しい性知識とは何なのか、それを子供が学ぶ場とはどこなのかも同時に言及していただきたい。

また、条例の改正に反対していた「コミック10社会」には、この現状を鑑み、
肥大した行政機関でなく、特定の企業、国家と提携しているでなく、正しい情報を送る出版社という立場として、
新たに正しい性行為を教える小冊子の作成、配布で、積極的に青少年の育成を推進することを提案したい。
コミック雑誌の売り上げは、人気のものは100万部単位であり、
その影響力は大手新聞の部数と比べてもけして無視できるものではなく、
その多くの読者が青少年であることを考えれば責務であるとも感じる。
出版社の表現の自由を守るための責任とは、自主規制ではなく、
子供達のための教育という名の表現ではないかと思う。

予断であるが、性行為を題材とした漫画、アニメは数多く存在するが、
避妊具の描写がある作品は皆無に近い。
これは法律、条令、裁判の判例などから、性器を描くことを自粛している傾向からであると推測する。
避妊具の推奨を促す意味から、出版社には、避妊具を装着した性器を描写した作品の積極的出版を提案したい。
参考
コンドームの正しいつけ方(東京都福祉保険局)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/aids/yobo/con_tukekata.html


■これまでの説明と違う、「旧基準」の諮問図書選定の基準
○■■委員 ちょっと質問があるのですけれども、2番のほうを、新基準に該当するというのはおくとして、旧基準に照らしてはどのように判断しているのでしょうか。というのは、以前、旧基準にも当たるし、新基準に照らしても当たる可能性があるような本があったときは、旧基準に照らして該当するのであれば、あえて2号は適用せずに旧基準で該当しますという質疑があった記憶があるのです。そういう意味で、今回、旧基準に照らして2番はどういう判断をされたのでしょうか。
○青少年対策担当部長 この本については旧基準には該当しないと判断いたしました。
○■■委員 それはどのところで該当しないという判断をしたのでしょうか。
○連絡調整担当課長 全体的な性表現のボリュームなどです。今までの旧基準に指定したものに比べて、確かに後半の部分は若干性表現が激しいのですけれども、前半の部分について、今まで指定したものよりは性表現がおとなしい、ボリュームが全体的に少ないということです。
○■■委員 性行為のボリュームということですか。
○連絡調整担当課長 そうですね。性的描写ということになります。
○■■委員 ただ、精液が飛び散ったりとか、結構露骨な描写もあると思うのです。このぐらいで多分これまで諮問されてきたこともあるのかなという感じがちょっとしたのですけれども。
○青少年対策担当部長 ほかの旧基準で指定されていた本に比べると、少し質的・量的に少ないということで判断いたしました。
○■■委員 1つ目は、旧基準により指定該当ということでいいと思います。
2つ目ですけれども、今までの方がおっしゃったように、作品として見た場合に非常に拙劣ですし、例えば文化・芸術的な要素とか、そういうものも読んだ限りにおいて一切感じることはありませんでした。ただし、都議会の決議にもあったように、新基準の適用というのは表現の自由に照らしてやはり非常に慎重に考えてやるべきだと思います。その上で、私は、旧基準に照らしてこの2番目の本がどうかと考えたときに、確かに今、ボリュームが少ないという話はあったのですけれども、結構性交渉的なところがアップで描かれていたりとか、精液が飛び散っていたりとか、そういうものもあって、旧基準に照らして、十分とは言いませんけれども、確かに若干少ないかなという気はしますけれども、該当するのではないかなと私は思います。
先ほどの話と総合するのですけれども、旧基準に照らして、多分ぎりぎりとはいえ該当するので、あえて新基準を適用するまでもなく、旧基準で指定該当として区分陳列するのがいいのかなと思います。

ここで議論されているのは、「妹ぱらだいす!2」が「都が新基準で諮問した理由」ではなく、
「都が旧基準で諮問しなかった理由」である。
諮問図書の選定は、専門家が行なうのではなく、都の一職員によって行なわれるため、
都税で行なわれるこの選定は、その基準や理由が明確でなければならない。

まず、旧基準の指定図書となる基準は、「全裸・半裸」描写、もしくは「性的行為」の描写が「卑わいであるかどうか」である。
そして、都独自の諮問図書選定の基準として、
「性器の明確さ」、「体液の多さ」、「擬音の多さ」を判断基準としていると説明してきた。
しかし、ここでの議論では、「性行為のボリューム」と説明している。
(担当者の説明では「性表現」、「性的描写」という言葉を使っているが、
説明の内容と、「妹ぱらだいす!2」を読み比べると、それは「性行為」を指しているのは明らかである)
これまで説明してきた「性器の明確さ」、「体液の多さ」、「擬音の多さ」とはまったく違う基準であり、
これを恣意的選定と言わずになんとするのか?
また、「ボリューム」「量的に少ない」と説明しているが、それはページ数で判断しているのか?


■審議会の公開の必要性
○鵜飼委員 2誌とも指定でよいと思います。
○横山委員 2誌とも要件に十分該当しますので、指定でお願いします。
○■■委員 私も2誌とも指定ということでお願いします。
それから、先ほど■■委員からもお話がありました旧基準にも、私も見た感じ、値するのかなとは思うのですけれども、ボリュームがどの程度ということをどのように判断するのかというのはなかなかわからない、判断しかねるところがあるのですが、新基準と両方とも踏まえて該当するのではないかなと考えておりますので、先ほど申し上げた2誌指定でお願いをしたいと思います。
○■■委員 この2冊目については、出版界は大騒ぎになっています。それは、去年この新基準ができて1年間、なぜ該当するコミックその他が出ないのですかという取材は私のところにもありましたし、新聞を含めてみんな待っているのですけれども。文学の世界では兄弟の云々は結構あるのですよ。コミックになるとほとんどない。それで、附帯決議に該当するような部分、それがかなり今の世相への挑戦的な部分があるのかなと思っていましたけれども。これを見てみると正直余りにくだらないので、私は2つ指定でいいと思います。
ただ、こういう世相は実は本当はあるのかなと。私はわかりませんけれども、ここまでなくても、こういうのが出てくるということは、あるのかなとは感じます。
以上です。
○■■委員 2誌とも指定でいいと思います。
○■■委員 私も同じく2誌指定でよいと思います。
○■■委員 2誌とも指定でいいと思います。最近、妹ものというのが結構アニメであったり出ているというのがありまして、余りいい傾向ではないと私は思っております。

「この2冊目については、出版界は大騒ぎになっています。」という意見から、
この審議会が始まる前、すでに出版界は、新基準での図書の諮問が行なわれたことが知れ渡っていたことが分かる。
これは恐らく自主規制団体からの意見聴取に参加した方から漏れ伝わったと思われる。
ここで思い出されるのが、審議会の公開について議論された際、非公開と決定した理由のうちの一つに、
指定図書になるかならないかの段階で、そのタイトルが知られると、それに関わるものに不利益を与えるから、
つまり、指定図書にならなかった場合にあらぬ疑いをかけられるから、というものがあるがあった。
しかし審議会の公開でそのタイトルが知られる以前に、自主規制団体はそれを知っていることになる。
2 透明性の確保に関して
(1)審議会の公開・非公開について
各委員の以下の意見等を踏まえ、審議会の会議自体は、原則非公開とする。ただし諮問図書類について、作品の芸術性等について特に慎重に審議する必要があると審議会において判断する場合には、個別に、改めて公開についての議論を行う。
審議会自体の公開については、個別の図書類について、不利益処分となるか否かが決定される前の段階でその図書類の名前が特定 ・公開されることになり、相手方に不利益をもたらすおそれや、訴訟のおそれがあるのではないか。
○ 公開は正しく情報が伝わることが前提と考えるが、公開をしても正しく伝わる保証がない。例えば、発言の不正確な引用とか、発言の文脈や諮問図書の具体的な内容と切り離した断片的な引用がされるおそれがあるのではないか。
○ 委員への個人攻撃をされる等の混乱が予想され、不利益処分についての委員の自由な意見陳述が困難になるおそれがあるのではないか。
○ 匿名の部分もあるが、会議録を公開しており、十分、議論の内容自体の透明性は確保されているのではないか。
○ 諮問図書類となったものは、指定基準には達しないとしても、自主的な取組としての区分陳列の基準には達しており、青少年には閲覧・購入させないことが望ましいものであると考えられ、公開によって、いたずらに青少年の興味をあおったり、購買意欲をそそることの弊害も考慮する必要があるのではないか。


自主規制団体はさまざまな業界から成り立っており、お互いに利害関係がある。
< 自主規制団体メンバー :平成26年4月1日現在>
◇(一社)日本書籍出版協会2名 ◇首都圏新聞即売懇談会1名
◇(一社)日本雑誌協会6名 ◇東京都古書籍商業協同組合1名
◇(一社)日本出版取次協会3名 ◇東京都書店商業組合3名
◇(一社)日本フランチャイズチェーン協会1名 ◇出版倫理懇話会1名
計18名


つまり、審議会が公開される、されないに関わらず、審議されるタイトルに関わる者が不利益を被るのならば、
すでにその状態になっているのである。
したがって審議会が非公開となる理由に値しない。
また、審議会が行なわれる前に、諮問図書となったことを知ったその著者が、
ツイッターでそのことを公開し、問題提起した例もあるため、
審議会前のタイトル公開の不利益は軽微であること、それよりも指定図書となる不利益の方が遥かに大きいことが分かる。

審議会には以下のような問題がある。
1:審議時間が短く、図書の審査がしっかり行なわれていない疑いがある(30分程で終了している)
2:議事進行がごく少数の委員の独断で進んでいる疑いがある(事案確認の際『「異議なし」の声あり』で進行している)
3:審議会の形骸化の疑いがある(事務局の意見に従うのみで、第三者機関であることを自覚しない委員がいる)
これらの改善のため、審議会を公開し、透明性を図るべきである。

次回に続く。

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by k1kuraki | 2014-07-16 10:24 | 都条例

第647回 東京都青少年健全育成審議会 メモ 1/3

第 647 回
東京都青少年健全育成審議会
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_646_menu.html#647


■審議時間の短さ
午後3時30分開会
午後4時30分閉会

正味60分の審議である。
委員が実際に図書を閲覧し、審査する時間もこの時間内に行われる。
審議されたのは漫画作品2つ、審議会で用意された図書がそれぞれ1冊ずつだったと仮定して、
今回参加した17人の委員が回し読みしたとし、60分の審議全てを閲覧にあてたとしたら一人当たり一冊1分45秒、
半分の30分を読書にあてたとしたら、一人当たり一冊52秒しかない。

図書を精読し、指定基準に照らして審査し、委員同士で意見を言い合い審議するためには、
この時間内では到底行えない。

しかし、今回は新基準で諮問された図書があったため、
希望する委員は、その作品を審議会前に閲覧することが可能であったが、
それが行われたかは議事録では判断できなかった。
東京都青少年健全育成審議会運営要領(案)
3 審議の方法
(1) 図書類について
図書類については、委員が審議会において当該図書類を閲覧又は観覧し、審議する。ただし、 審議会において閲覧又は観覧することが困難なものについては、 委員が審議会開催日前に当該図書類を閲覧又は観覧し、審議会において審議する。
なお、条例第8条第1項第2号(以下「新基準」という。)該当に関し諮問される図書類について、希望する委員は、上記に加え、審議会当日の午前または審議会開催日前に当該図書類を閲覧又は観覧することができる。新基準諮問図書類の閲覧又は観覧、 審議に当たっては、 諮問図書類ごとに新基準に関連する設定や描写のあるページ等について整理した資料を事務局において作成し、 配付する。




■事務局による恣意性の疑い

審議会の庶務は、東京都青少年・治安対策本部の青少年課で行われている。
審議会の議事録では、事務局と呼ばれる。
8 事務
審議会の庶務は、青少年 治安対策本部総合対策部青少年課において行う。


さらに1枚おめくりいただきまして、2ページの「諮問図書類及び指定基準該当箇所一覧」をご覧ください。こちらに記載されました図書類は平成26年4月1日から4月28 日までの間に、都内のコンビニ・書店等から購入いたしました 123 誌のうちから、8ページ、9ページに記載してございます条例施行規則第 15条の指定基準に基づきまして、指定図書類の候補として選定したものでございます。
今回、諮問する図書類は2誌でございます。
1番は、『オール体験デラックス Vol.1』、平成26年3月 27 日、株式会社メディアックスの発行でございます。
2番は、『TECHGIANSTYLE 妹ぱらだいす!2 ~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと !エッチしまくりな毎日~』、平成26年4月3日、株式会社KADOKAWAの発行でございます。
これらの発行所の過去1年間の指定回数は、1番の株式会社メディアックス、2番の株式会社KADOKAWAともに「無し」でございます。
該当箇所は、1番、2番ともに「全編大部分」でございます。
該当指定基準は、1番は条例施行規則第 15条第1項第1号イ・ロ、いわゆる旧基準でございまして、2番は同規則第15条第2項第2号、いわゆる新基準でございます。

購入図書の選別、諮問図書の選別、指定基準の決定を事務手続きとして、事務局が行っている。
購入図書の選別は、表示図書やシール止め誌以外の一般向け作品から「図書類の題名・表紙・帯の文言等から判断」され、
諮問図書の選別は、購入図書を、「青少年の性的感情を著しく刺激する」「性的感情を刺激する」「性的感情を刺激しない」の3種類に分け、
そのうち「青少年の性的感情を著しく刺激する」ものを旧基準での諮問図書とし、
「性的感情を刺激する」「性的感情を刺激しない」ものの中から新基準での諮問図書となるものを選別している。

しかし、購入する基準と、諮問図書とならなかった図書の題名が公開されていないため、
事務局による恣意性が疑われる。

また、『TECHGIANSTYLE 妹ぱらだいす!2 ~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと !エッチしまくりな毎日~』においては、
別府資料1から判断して、該当ページ数は全体の約2割であり、それを「全編大部分」と言うのに疑問がある。
これまでの諮問図書も、2割を「全編大部分」としていたのか?
第15条第1項第1号イ・ロ(旧基準)
第3章 不健全な図書類等の販売等の規制
(指定図書類、指定映画等の基準)
第15条 条例第8条第1項第1号の東京都規則で定める基準は、次の各号に掲げる種別に応じ、当該
各号に定めるものとする。
一 著しく性的感情を刺激するもの 次のいずれかに該当するものであること。
イ 全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写することにより、卑わいな感じを与え、
又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。
ロ 性的行為を露骨に描写し、又は表現することにより、卑わいな感じを与え、又は人格を否定す
る性的行為を容易に連想させるものであること。

2 東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則(PDF)より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html

第15条第2項第2号(新基準)
(指定図書類、指定映画等の基準)
  条例第8条第1項第2号の東京都規則で定める基準は、次の各号のいずれかに該当するものであることとする。
二 近親者間 (民法 (明治29年法律第89号)第734条から第736条までの規定により、婚姻をすることができない者の間をいう。)における性交等を、当該性交等が社会的に是認されているものであるかのように描写し若しくは表現し、又は当該性交等の場面を、みだりに、著しく詳細に若しくは過度に反復して描写し若しくは表現することにより、閲覧し、又は観覧する青少年の当該性交等に対する抵抗感を著しく減ずるものであること。

2 東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則(PDF)より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_jyourei.html

■指定該当箇所の公開
今回の2番『妹ぱらだいす !2』につきましては、皆様のお手元にございます当該図書の青い色の附箋を貼付しております部分に登場人物の関係が明示されておりますが、兄と実の妹、または兄と異母兄妹の妹という民法第734条に規定する婚姻を禁止されている近親者間、今回の場合は2親等になりますが、2親等間の性交または性交類似行為を描いたものであり、当該指定基準に該当するものと考えております。
次に、A4横長の別紙、資料1をご覧ください。
当該図書の中で、婚姻を禁止されている近親者間、今回の場合は2親等間の性交または性交類似行為を描いているページとその内容を一覧としたものでございます。当該図書にも、該当行為の始まるページと終わるページに黄色い附箋を貼付してございます。附箋は旧基準のものとちょっと貼り方を変えておりまして、旧基準のものは、性器描写でありますとか性的行為の描写または暴力描写等があるページに貼付しておりますけれども、今回この新基準の本につきましては、ストーリーの中で当該場面がどのように取り扱われているかということをご確認いただく場面に附箋を貼付させていただいております。

審議会内で閲覧するために用意された指定図書に付箋が貼り付けてある事は、以前から言われていたが、
その内容が詳しく書かれている。
旧基準では、「性器描写」「性的行為の描写」「暴力描写」の、
新基準では、「近親者間の性交、または性交類似行為」の、
「始まるページと終わるページ」に黄色の付箋が貼り付けられている。
新基準の近親者間の性行為での指定では、描かれた人物の間柄が明示されている場面に青色の付箋が貼り付けられる。

また、新基準では、その付箋が貼り付けてあるページが別紙の資料として公開されているが、
なぜ旧基準のものは公開されないのか?


■専門委員の意見からその適正を見る
○会長 ありがとうございました。
ただいまの事務局のご説明につきまして、ご質問等がございましたらどうぞ、お受けいたします。よろしいでしょうか。
それでは、■■専門委員に調査報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○■■専門委員 『妹ぱらだいす!2 ~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと !エッチしまくりな毎日~』につきまして拝読しましたが、条例第8条第1項第2号に該当する図書類等の「作品を創作した者が当該作品に表現した芸術性、社会性、学術性、諧謔的批判性等の趣旨」は、作品から全く見られません。

まず、この調査にどの様な意味があるのか考えたい。
調査の結果、芸術性等が確認されれば指定を免れえるという意味だろうか?
それらのない拙作は青少年によって読まれるに値しないという意味だろうか?
私の解釈の方法は、条例の目的である「青少年の健全な育成」に注目することである。
指定図書の選定はこの「青少年の健全な育成」を阻むと思われる描写のある作品を青少年から遠ざけることを目的としている。
であれば、それを覆すほどの「青少年の健全な育成」を助長する描写の有無を見るのが、この調査の意味ではないかと考える。

この観点から本作を読むと、「性愛の肯定」「血縁関係者との恋愛、社会性と個別的恋愛感情の比較、上位性」
「性同意の重要性」など、青少年の博学に益となる描写が含まれている。
しかし、それらが稚拙であって青少年に理解が困難であるなど、その見解には個人差がある。
それを調査するのが専門委員であると考えられる。
しかし、専門委員の調査結果は「作品からまったく見られません」というものであり、
これは業務の放棄、あるいは専門委員としての能力の不足を感じざるを得ない。
また、聴き取り調査などをしますと、これはゲームからのコミカライズをした作品であり、最初はアダルト雑誌に掲載されたということです。それをごく一部修整して、そのままコミックス化しました。なおかつ、原作のゲーム自体には 18禁のマークがついております。そのゲームがこの帯の袖に載っていますが「18禁」と入っています。これを見れば、このままコミックスとすれば当然指定の俎上に上がると思われます。
また、これはやはり近親者の性交類の描写が多いです。近親者の性交を描くのであれば、条例の第8条第1項第2号に該当する作品内容に配慮しないといけないと思います。ところが、この作品にはそれは全く感じられません。
逆に、近親者の性交がなければ、この作品はそのままスムーズに18禁マークを表示されなくても通っていたのではないかと思います。一番肝心のそこを見落としたかどうかはわからないのですが。雑誌に掲載されたときはアダルト雑誌でしたし、なおかつコミカライズした原作であるゲームも 18禁マーク表示つきで販売されております。ですから、この作品も当然、発売するのでしたら、すみ分けしたところで販売されないといけないのですが、18 禁マークが表示されていませんし、ちょっとこれは、もう少し大勢の人の目を通して発売すればこういうことはなかったのではないかと思われます。
これが私の報告です。

まず、専門委員の役割は図書の内容の調査であり、
諮問図書として俎上に上げるかの選定や、指定図書の選定、そして出版社の販売形態を論じる役割ではないことを記したい。
つまり、これは専門委員としてではなく、個人的な見解である点に注意したい。

その上でこの報告を読むと、販売形態(住み分けの是非)について論じられている部分で、
原作ゲームが18歳以上対象としてコンピュータソフトウェア倫理機構により審査されていること、
掲載雑誌では18禁マークがあり、表示図書としているのに本作はそれがなされていないことを理由に、
本作も自主規制として表示図書とするべきであると言及している。

しかし18歳未満販売禁止のゲームソフト、所謂アダルトゲーム作品が、
内容を調整して一般向けゲームとして販売されたり、一般漫画化される例は古くからあり、これらは枚挙に暇がない。
例を挙げれば、以前審議会でも言及された「ヨスガノソラ」は、アダルトゲームとして発売され、
その後、一般向けアニメ、コミックとして放映、発売された。
遡れば、keyというアダルトゲームメーカーから発売された「Kanon」「AIR」「CLANNAD」という作品は、
積極的に一般向けへの展開が行われ、ゲーム自体も一般家庭用として発売され、劇場用映画としても放映された。
また、18禁マークのついた雑誌に掲載された作品が、表示図書としてではなく一般作品として販売される例も少なくなく、
「妹ぱらだいす!2」が掲載された雑誌である「TECHGIAN(テックジャイアン)」においても、
過去には「魔乳秘剣帖」山田秀樹:著という作品が販売され、テレビアニメとして放映された例もある。
一方で同じく同誌で連載された「キャットウォーク」けろりん:著という作品は18禁マークが付されている。
つまりは自主規制はその時々、個別で判断されるものであり、
そしてそれを判断する責任を持つのは販売者、出版社等である、ということである。

予断であるが、年齢制限作品に関連する作品は、同じくそれを付さなければならないという見解は、
過去の審議会(もしくは事務の諮問図書の選定)でも垣間見えるもので、
映画倫理委員会によりR18+認定された映画に関連する作品が指定図書となった例が幾つか存在する。
平成25年10月指定
甘い鞭① 艶々:著 大石圭:原作(R18+映画「甘い鞭」と同じく小説「甘い鞭」を原作とする、小説は年齢制限なし)
平成25年12月指定
熱帯魚のはらわた はらざきたくま:著 ヒロモト森一:原作(R18+映画「冷たい熱帯魚」のスピンアウト作品)

関連作品といっても、内容がまったく違っている作品もあり、
審議会は、審査する対象の作品のみを見て青少年への影響を考えるべきである。
関連する映画、ゲームが年齢制限されていればその作品も自主規制するべきである、指定図書となりうるという見方は、
出版社の経済活動の自由を妨げる考え方である。
さらに審議会の形骸化、青少年への影響を考慮するという目的の喪失へとつながる。
この様な見解は出版社、および条例と審議会ともに害をなすものであると考える。

もうひとつ、「審議会の中で」出版社は自主規制すべきであるという発言が出ることに疑問がある。
何故なら審議会は「指定図書」を選定する場であり、
出版社が行う自主規制である「表示図書」を選定する場ではないからである。
「指定図書」は審議会で選定するものであり、その扱いには大きな罰則が付されるが、
「表示図書」は自主規制でああるため努力義務しかない。
もし、自主規制すべきであるとするならば、まず、出版社に対して「表示図書」とするように言うのが筋である。
それを断るのならば改めて「指定図書」とすればよいはずである。
しかし、それでは「表示図書」は自主規制ではなくなってしまう。
これは外部規制である条例に、出版社の自主規制という内部規定が具体的に記されていることによる齟齬であり、
条例は自主規制の文言を外す改良が求められる。

1.専門委員としての報告を怠っている
2.専門委員として審議会に出席できる立場を利用し、個人的な見解を述べている
・事務、審議会委員が判断することに関する意見
(諮問、指定図書が妥当であるという見解)
・出版社の現状と乖離した、事実と異なる意見
(18禁マーク付作品を原作とするものは、同じくそれを付さなければならないという見解)
(18禁マーク付雑誌に掲載されたものは、同じくそれを付さなければならないという見解)
以上の理由から、私はこの専門委員はその任を務めるに値しないと判断し、辞任を求めたい。
もしくは専門委員の更なる任命を求めたい。
○会長 それでは、図書をご覧いただけたようですので、改めて■■専門委員にご質問がございましたらどうぞ、お願いいたします。よろしいですか。
ご質問がないようでしたら、これから各委員からご意見を伺いたいと思います。
では一旦、■■専門委員には退席をお願いいたしたいと思います。
(■■専門委員退室)

なぜ専門委員は退室されなければならないのか。
一方で事務局の職員は退室した記載がない。
都の一職員でしかないはずの彼らが審議会委員の議論に参加できる理由は何なのか。

次回に続く。
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by k1kuraki | 2014-07-16 10:22 | 都条例